そういうアーテイストがいるのはご存じでしょうか。一昨年デビューしたばかりの19才。ラッパーですね。でも、ラッパーなんだけどメロデイアス。音のファンタジーを紡げるという意味では、シンガーソングライターという感じの方が強いでしょうか。
彼のファーストツアーのファイナルとなった東京公演。刺激的でしたねえ。こんなことをやろうとしている人はもとより出来る若手アーテイストはいないだろうな、という密度。コンサートという概念に収まらない作品性。文学としてのロックという印象でした。
ライブは、去年、ビクターのコンベンションで見ただけでワンマンは初めて。トラックミュージックの人にありがちなクールさではない人なつこさや歌のうまさ。そして、全編の生演奏。こんなに生身感の強い若者なんだというのも意外でした。
文学としてのロック。現代詩としてのラップ。19才ですからね。存在とか孤独とか、疎外とか、空白とか、テーマはどこか観念的だったり青臭かったりするんですが、それが手垢のつかなさになってる。饒舌だけど文学的。それでいて心地良いグルーブに溢れている。
ライブなんだけど、イラストやシルエットのようなビジュアルとナレーションが入ってライブ全体が一つの内面の物語になっている。色んなイメージが彼の中にあって、それが音楽として展開している。
これからどうなるとか、売れるとか売れないとか、そういう次元にはいないというんでしょうか。音楽がないと生きていけない人なんだろうなと思わせてくれる。こういう人が出てくるんだなあ、だから音楽は面白い。そう思わせてくれる19才でした。
最近、そういう人が出てきますね。Mrs.Green Appleもそうでしたし、米津玄師さんもそうですね。RADWIMPSの野田洋次郎さんもそうか。その前はBUMP OF CHICKENか。そう、終わってから一人で食事をしていた店の隣の席にいた20代の女性二人は、前はBUMPを聴いていたと言ってました。やっぱり、という感じでしたよ。そういう流れの中にいる一人といって間違いないでしょう。もしご興味あれば。
連日の妙なお天気に身体がついて行きません。先日も知人と食事をしていて吐いてしまいました。飲み過ぎかなと思ったけど二日酔いの症状がない。胃カメラを飲んだけど何ともない。睡眠も不安定。参ってます。というわけで、ぼくのりりっくのぼうよみ。「sub/object」を。じゃ、お休みなさい。