あの曲はご存じですよね。作詞・永六輔、作曲・いずみたく。レコードになったのは、坂本九さんでした。あの歌をゆずがカバーしてるんですよ。今、そのための特設サイトが立ち上がっていて、そこに原稿を書いてます。
ほんとに色んな人がカバーしている曲ですからね。彼らも取り上げるのにかなり勇気も必要だったんでしょうけど、通常のカバーとは違うオリジナリテイのある形で歌ってます。踏み込んでいるというのかな。同じ土俵に立っているというのかな。そういうカバーは多くないでしょう。
詞と曲を付け加えてるんですよ。考え方によっては、畏れ多い、という人もいるかもしれません。でも、原曲をそのまま歌うことにとどまらない、シンガーソングライターとしての覚悟も感じられる取り組み方でした。
一曲の中で、なぜこの曲をカバーしてるかを説明して歌ってる感じなんですね。プレゼンターというんでしょうか。それが、通常のカバーとは違うものにしてますね。というようなことを書いてるんで、もしご興味あれば。
ゆず、来年が20周年なんですね。早いなあ、という感じです。初めて見たのは路上からホールに舞台を移して行った最初のツアーのNHKホール。路上出身のフォークという印象とは違っててびっくりした記憶があります。
何が意外だったかというと、スピード感ですね。生ギターのフォークソングのべたっとした感じじゃなかった。ロックっぽかったんですよ。何、このスピード感、と思ったら、二人が元々ロックバンドを組んでいて、BOO/WYをやったりしていた、と知りました。
分かりやすいでしょ。ざっくり言ってしまって、氷室さんのビート感が下地にある。楽器は生ギターでもフォークだけじゃない。そっから彼らを好きになってますね。ライブも全身全霊ですし、聞き手が扉を開くまで体当たりでぶつかる、みたいな感じがあった。それは、今もそうですね。
そんな二人が、今、改めてレコーデイングしたのが「見上げてごらん夜の星を」。彼らが、あの曲をどう解釈して、どうリスペクトしようとしているかが伝わると思います。誰にでも分かる日本語と口ずさめるメロデイー。J-POPとは何なのかという答えのような曲です。
もう、20年近く前でしょうか。拓郎さんが「生涯に一曲、ああいう曲が書きたい」と言ってた記憶があります。そう、拓郎さんに、そういうスタンダードのカバーを歌って欲しいなあ、ともう何十年も前から思ってるんですけど、やりませんねえ。
陽水さんがやってるじゃないか、とか、今更、俺が、ということもあるんでしょうけど。あの人の歌いっぷりは唯一無二ですからね。聞いてみたいという気持ちは変わりません。ということで、話が逸れましたけど、ゆずのこの曲。「見上げてごらん夜の星を~ぼくらのうた」。じゃ、お休みなさい。