という特集を終えたばかり。BAYFM「MIND OF MUSIC」ですね。昨日、今日と日産スタジアムでライブがあるんで、ミスチル特集をやってくれないか、という局の意向もあっての特集でありました。とは言うものの、アルバム「REFLECTION」の全曲紹介特集は発売時にやってますからね。どういう形にしようかと思って浮かんだのがこれでした。
アリーナツアーを見ていて改めて「戦ってるバンドだなあ」という強烈な印象があったんですね。自分たちがどうあるべきか、どうありたいか、何をすべきで何をしたいのか、しなければいけないのか。自分たちの音楽を何者にも汚されまいとしている、その強靱で真摯な姿勢に感動したライブでした。
でも、彼らを語る時に”戦う”という言葉はあんまり使われてない気もしましたし、パブリックイメージはもっとソフトなものだろうなとも思ったんですね。優しさとか爽やかさ、というものが多いでしょうし。でも、その根底にあるのは、ずっと戦い続けている軌跡ではないだろうか、というのが趣旨でした。
デビュー曲の「君がいた夏」自体が、当時のロックバンドのステロタイプと戦ったような曲でしたし、94年の年間チャート一位の「Innocent World」も、商業音楽の中に”生き方”という、決して商業的ではないテーマを持ち込んだという意味でも画期的でした。
状況や時代に流されないための葛藤というんでしょうか。アルバム「深海」なんかは、ヒットソング連発する人気バンドというパブリックイメージと戦ったものだったでしょう。そういうことも含めての彼らが戦ってきたことを再検証したいという特集。力が入ってしまいました。
でも、言葉足らずだった気がするんですよねえ。生放送、割と長い曲も多いし、いつもより一曲少なくしたんですけど、それでも時間が足りなかった感じ。進行のメモは用意してるんですけど、こぼれてしまったことの方が多い気もしてますね。
彼らが戦ってきたこと。それは”言葉にならない気持を音楽にすること”のため、だったんじゃないかということに触れられずに終わってしまった。言葉を借りれば”簡単に語られてしまうこと”と戦ってきたんではないかということでしょうか。
言葉の裏側にあるもの。言葉では語りきれない感情。”戦う”と言ってしまった時にこぼれてしまうこともある。”戦うこと”を歌ってはいるものの、”戦えない自分”も知っている。その両方を歌にしようとしている。だから”戦ってきたのか”と大上段に言った時に、どこかそぐわないものも感じさせる。
人に対して”好き”という感情の裏には、裏腹な”好きじゃない”感情というのも潜んでいるわけで、そこも歌おうとしている。アルバム「REFLECTION」というタイトルの”反射”という言葉には乱反射、という意味もあるんでしょうし、人の感情はつねに何かを乱反射していて、一言や二言では語れない。
でも、どんな反射、どんな光であろうと、聞き手と曲の間には、その人としか結べない関係があって、そこには嘘がない。それだけを守ろうと戦っているのが彼らかもしれない、ということをうまく言えなかった。生放送ですからねえ。
この話はそんなに簡単には終わりませんね。僕は、昨日、矢沢さんの東京ドーム、今日はCHABOさんの45周年、渋谷公会堂なんで、ミスチルのスタジアムは大阪に行くつもりですけど、楽しみにしてるんですよ。あ、矢沢さん、すごかったです。驚異的でした。その話もまた。
というわけで、ミスチルだ。久々に聞いて、やっぱりこの曲、好きでした。「君がいた夏」、夏の終わりに送ります。じゃ、また。