昨日でした。この週末、夏休み最後のコンサートラッシュになってますね。全国各地。長崎では稲佐山で福山さんが25周年の凱旋公演をやってました。WOWOWの中継で少しだけ見ました。お天気、大丈夫みたいでしたね。
味の素スタジアムはエイベックスのaーnationか。東京は、ちょっと怪しかったんじゃないでしょうか。僕は原稿があったんで、海浜幕張のBAY FMから直帰してしまいました。「MIND OF MUSIC」はグッバイ・サマー・サザン胸キュン対決。なかなか楽しかったですけど、負けてしまいました。
で、昨日、そんな中で向かったのが武道館。台湾のバンド、五月天(メイデイ)の初武道館。彼らのライブは四回目かな。最初に会ったのは2001年。GLAYの「EXPO」に来た時ですから、もうかなり前ですね。インタビューも三,四回してます。
台湾のバンドですから、海外とは言いにくいところもあるんですけど,外国語ですから、やっぱり海外ということになりますね。かなりゆるい、飛び飛びですけど、これだけ長く見ている外国のバンドは他にいません。これも縁かなと思ってます。
ライブ、良かったんですよ。日本のバンドというか、コンサートにはなくなりつつある何かがある気がしましたね。それは何だ。歌を通した連帯かな。求めて合っているという確かさかな。お互いの必要性という一体感でしょうか。
日本で洋楽のライブを見るのはそんなに積極的じゃないんですね。何でかというと、関係性が希薄な気がしてしまう。言葉が分からないせいもあるでしょうけど、どこかもどかしくなる。かゆいところに手が届かない物足りなさ。
もし、このライブを本国で見たらきっと違うんだろうなあ、もっと感動的なんだろうなあと思ってしまうんですよ。コンサートとして消化不良な気がしてしまう。客席にも観光気分というか、物見遊山的な空気もあったりしますよね。
この日はそれがなかったんですね。客席は日本に住んでいる台湾・中国の人たちが殆どでしょう。MCも中国語です。日本語詞の曲もありましたし、画面に日本語訳も出ましたけど、客席から起きるのは中国語の大合唱ですよ。
ロックバンドなんですけど、一緒に歌える曲が多いというのも大きかったんでしょうね。その空気に感動したんですね。日本にいながら現地で見ているような気がした。でも、考えてみたら、客席の彼らは日本で暮らしているわけで、彼らの表情に、「ここでこの歌を一緒に歌えるのか」という喜びが溢れている。
つまり、海外で暮らしている日本人が日本から来たバンドを歓迎することと同じか、と思えたわけです。そういう現場に立ち会っている。五月天もデビュー16年で初の武道館。「台湾から日本に来るのは3時間半。でも、僕らがここに来るのに16年かかった」と言った時の歓声のすごさとかね。
訳詞を見ていても彼らの歌は、状況に逆らってでも自分の道を行く、夢を追いかける的なものが多いんですが、海外で暮らす人たちは多かれ少なかれそういう人生でしょう。客席の若者が、自分を投影して共感して大合唱になっている感じがひしひしとしたわけです。
五月天は、台湾のバンドなのに北京で10万人コンサートをやったりするんですね。ワールドツアーも一回に80本以上をこなしている。それでいて学生時代の仲間という和気藹々さが中国語の会話になって現れている。
音楽って良いね、という素朴さというのかな。産業なんだけど、それだけじゃない。もっと血が通い合っている。じーんとしてしまいました。という昨日の夜でした。それにしても涼しい。肌寒いくらい。今日のMIND OF MUSICじゃないけど、夏の太陽が恋しい。このまま秋になるのはまだ早いでしょう。
ということで、明日は原稿とWOWOWの”ぷらすと”。ウエブですね。午後7時から。「松本隆を語る」がテーマです。曲ですね。五月天の新曲「YOUR LEGEND~燃ゆる命」。日本語詞なんですが、日本語の大合唱が起きてました。じゃ、お休みなさい。