昨日でした。日産スタジアムは家から遠いし、終わってどっかで食事したとしても12時にはなります。暑かったですし、結構ばてておりました、ってそんな話を書きたいわけじゃないです。コンサートが面白かった。他では見ることの出来ないものを見た、そんな印象でした。
日産スタジアムのグランドを横に使うということがまずあんまり例がない。僕が見たのはゆず以来かな。正面のバックストレッチというんでしょうか。そこにステージが組まれている。陸上競技場で言うと、一番長い直線コースがステージになってる。横に長いだけじゃなくて、上にも高い。
高さ40メートルと言ってましたね。彼らのステージのシンボルでもあるんでしょう。アルバムのタイトルも「Tree」でしたし、一本の巨木の幹や枝が街になっている。そこに居酒屋やデイスコや生活空間が作られている。高さの違う箇所で歌えるようになってました。
音楽と一対になった森と星空のファンタジー。照明、きれいでしたよ。すごかったのは、銀河鉄道みたいな三両編成の列車がグランドを一周、それだけじゃなくて空も飛んだんですね。キーボードのSaoriさんが「やったー」と叫んでいたのもかわいかったです。
70年代の終わりにピンクフロイドが、コンサートで巨大な豚の風船を飛ばして話題になりましたが、規模としてはそれに匹敵している感じでした。バンドが売れてきて、色々やれるようになったからこそ出来る自由な発想と遊び心が随所に織り込まれてました。
でも、単に遊園地的な仕掛けに留まらないのが彼らでしょう。ファンタジーの中に潜む怖さも不気味さも表現しようとしている。人の心の暗部というんでしょうか。社会の仕組みの持つ影の部分、それによって疎外されていることも歌おうとしている。
歌詞だけ取り出してみると神経症的なひ弱さや危うさもあるんですが、それがリアリテイになってる。だからこそファンタジーに意味が生まれてくる気もします。ほとんどイメージだけの発言ですけど、ディズニーとハリーポッターの違いというんでしょうか。もちろん、彼らは後者ですけど。
歌詞、シビアなんですよ。世の中や世間の残酷さみたいなことも歌ってますし、LOVE&PEACEにしても理想やきれい事に終わってない。昨日の曲「DRAGON NIGHT」も、”休戦の歌”ですからね。ジョンレノンの「Happy X’Mas」みたいだなあと思ったこともありました。
争わない若者のファンタジー。優しさの力を感じさせるバンド。ロックバンドという概念にも納まらない。次世代の希望と言って良いかもしれません。というわけで、一日遅れでしたが。曲ですね。「Love the wars」という曲を。じゃ、お休みなさい。