一日二回のステージ。僕の見たのは1STショー。一回目ですね。テーブル席では、アルコールを口にしながら食事している人の方が多いという大人の空間。もちろん座ってみてます。普通のライブハウスとは違うくつろいだ一体感。バンドはザ・ホーボーキングバンド。演奏力がないとすぐにアラが見えてしまうというステージですね。
ビルボード東京は何度か行ってますけど、佐野さんは初めて。面白かったですね。アルバムの中の割と渋めだったり重めだったり、シリアスなタイプの曲がジャジーなアレンジに変わっていたり、より内省的になったり、あるいは、軽快になったり。アルバムではデジタルな仕上がりだったものが、生音で生まれ変わっていたり、同じ曲でも、アレンジのアプローチを変えるだけでこんなに変わるのか、と思わせる曲ばかりでした。
アーティストのセンスというのはこういうことを言うんでしょうね。バンドの演奏に合いの手のようにさりげなく入れるピアノだけで曲想が変わる。ジャズやブルース、そしてロックンロール。若い時にはまず無理なステージだったんじゃないでしょうか。お客さんも楽しみ方を学んでいるようにも見えました。
東京のアーティストだなあとしみじみ思ったりしましたよ。適度に抑制された感情と洒脱な軽さ。若い頃の、アスファルトを走り抜けるようなスピード感とも違う、スキップ感。足取りの重さも知っているからこそ感じるスキップの意味。小粋でありました。
7月22日に出るアルバム「BLOOD MOON」は、バンドがコヨーテ・バンドですから、また違うドキュメンタリーのような状況感が聞き所になるんでしょうが、色んな楽しみ方や表現が出来る。今、彼はそういうアーテイストなんだと改めて思いました。
今日、入れないかなと思ってたんですよ。でも、1STショーなら何とか、と言われたんですね。きっとキャンセルかなんかがあったんじゃないでしょうか。入れて良かったです。というわけで、曲ですね。佐野さんの「クエスチョンズ」。全然違う曲になってました。明日は、シュガーベイブ40周年についての対談取材。じゃ、お休みなさい。