いやあ、すごかったですね。36曲、3時間半。この曲数は終わってから確認したんですね。セットリストを貰わないで見ていたんで、ここまでやるの、まだやるんだ、というこれでもかというボルテージ。引き込まれたり、笑ったり、驚いたり、しみじみしたり、溢れんばかりの感情のうねりを堪能しました。
アルバム「葡萄」の収録曲はもちろん、ライブでやったことがあるのかなあ、という曲や久々の曲。こんな曲があったんだというレアな曲。ファンクやR&Bを感じさせながら洋楽のコピーにならない。ヒット曲とは違う凝った曲というか、マニアックな曲が多い気がしたのは、若い頃には演奏力が追いつかなかったんだろうなと思いました。
今だから技術的にも表現出来る雑食音楽の懐の深さ。上半身も下半身も、”生”も”性”も知的も痴的もエロチシズムもヒューマニズムもシリアスもおちゃらけも全部飲み込んでしまうバイタリティこそ大衆音楽でしょう。このメンバーで演奏出来ることを自分たちも噛みしめながら楽しんでいる。それでいてお客さんに楽しんでもらうことに心底、特化している。
やる側も見る側も幸せな気持ちになれる。今、ここでこうしていることの確かさを感じられる。ライブというのはそれ自体がそういう場所なんでしょうけど、他ではあんまり経験出来ないお祭り気分。生きてるって良いよね、というリアリティを感じさせるエンターテインメント。素晴らしかったです。
桑田さん、こういうことやりたいんだろうな、と思わせる、この先の予感みたいなものもありました。今後、楽しみですよ。今週の週末はGLAYの20周年東京ドームもあります。サザンは10年ぶり、GLAYも10年ぶりです。というわけで、素敵な夜でした。曲ですね。サザンの「東京VICTORY」。客席との一体感と解放感に涙ぐみそうになりました。じゃ、お休みなさい。