夕方、大宮のNACK5本社スタジオに「J-POP TALKIN’」の完パケに行ったんですが、その途中のかなりの駅でサザンのアルバム「葡萄」のポスターを見ましたよ。発売は、3月31日ですから、宣伝にも相当力が入っているということなんでしょう。
最近、駅で音楽のポスターとか見なくなりましたもんね。たまに洋楽の来日アーテイストのライブの告知用のものは見ますけど、邦楽アーテイストでは、ほんとに少なくなってるんじゃないでしょうか。まあ、宣伝費が出ないとか、色んな事情があるんでしょうね。
音楽の聞かれ方がクローズな形になってきて、情報も個人的になってきた。今、”街鳴り”という言葉も死語でしょう。街で音楽が聞かれない。イヤホンの中でしか鳴ってない。以前のように喫茶店やパチンコ屋で流れているものが嫌でも耳に入ってくるという状況がなくなってる。
サザンのアルバムの宣伝ポスターは、そういうことも意識してるのかなと思いますね。街角に音楽を、巷に音楽情報を、というんでしょうか。誰が歌ってるんだか知らないけど、最近、よく聞くねえとか、うるさいくらいに耳につくとか、そういう状況がなつかしい、という感じでした。
80年代から90年代のユーミンは、そうでしたもんね。”お化け”。つまり、”どこにでも出る”と揶揄されていたくらい。といっても、CDショップがなくなるんですから、しょうがないですけど。そう、今日、新宿のタワーレコードに行ったんですよ、活気があったとは言いにくいですけど、頑張ってましたよ。
サザンのアルバムは、タワーなんかでも大きく展開されるんでしょうね。して欲しいかな。アルバム、良いですからね。「ピースとハイライト」以降、つまり、今のサザン。高尚にも難解にも、大上段に振りかぶることも誰かに媚びることもない。それでいて、濃い。成熟のアルバムです。
ポスターも、素な感じですね。普通に集まって撮りました、という自然体の日常感。この10年のサザン、桑田さんの心情が、そのままたたずまいになってる。もし、街中で見たら、心の中で挨拶してみてください。”サザンに会ったら、よろしくと”という感じでしょうか。
ということで、この話はまた。曲ですね。アルバム「葡萄」から「青春番外地」。70年代の青春へのオマージュ。こんな時代があったよなあ、という一曲です。じゃ、お休みなさい。