正式なタイトルは「Dream To Remember~清志郎が教えてくれたこと」。若干長くて入らないんではしょりました。失礼。飛鳥新社という出版社から出てます。朝日新聞などのライブ評で知られる女性評論家が、30年間の取材をまとめた本ですね。面白かったです。
という話を書く前にこのことを。医者、行きました。脳神経外科。CTを撮ったら無事でした。脳には出血も傷もないので安心してくださいとのことでした。立ちくらみやめまい、首や肩の凝りは、軽いむち打ち症みたいなものでしょうと言ってました。ご心配おかけしました。
やっぱり心配されると嬉しいもんですね、妙な言い方ですけど。通りすがりに唾を吐きかけてゆくみたいな書き込みもありますけど、そういう方ばっかりじゃないんですね、と改めて思ったりします。甘えてばかりでごめんね、という古い歌がありました。青山和子さん「愛と死をみつめて」ですね。ご存じないでしょう(笑)。
でも、その話で終始したら、ほんとに体調日記になってしまいますからね。いくらなんでもそれには早い。とも言えないか。病院の先生が、「お若く見えますけど、お年はそれなりなんで、念のためにお伝えしますけど」と言ってこんな話をしてくれました。
「その年になると、ぶつけた時は何ともなくても、二ヶ月くらいして、物忘れが激しくなったりという症状で出ることがあります。急にボケが始まったと思う人もいるくらいなんで、そうなったらまたCTを撮りに来てください」というんですね。
終わってからカルテの年齢を見てわざわざ付け加えてくれた話です。ねえ、”その年になると”ですよ。”お年はそれなり”ですよ。まあ、その通りなんで、一言もないですけど、いつ何があってもおかしくないということですよ、と宣告された、気分でした。という話は終わり(笑)。
でも、何ともないと言われるとほんとに何ともなくなるもんで、病院から帰って、一日清志郎さん漬けになってました。「J-POP LEGEND FORUM」の2月のLEGENDが清志郎さん。その下準備をしてました。今井さんの本もそのための勉強ですね。
今井さんが「宝島」のライターとして取材するようになってからの30年分のインタビューを再録、新たに書き加えた本。この人だったからこういうインタビューになった。80年代の清志郎さんの言動がまざまざと浮かんでくる、血の通った良い本でありました。
言葉は木訥、でも的確で詩情がある。一つ一つの言葉の隙間に味があって、ふっと風が吹くような気がする。どきっとする一言があったり。インタビューなんだけれど、どっか詩集みたいに読むこともできる。話し言葉と歌詞に落差がない。地の文も、同じような波長で書かれている。
本のタイトルじゃないですけど、僕の方がいろいろ教わった感じでした。僕も何度かは取材してますけど、時々でしたし、ライブも必ず行くという距離感ではなかったんで、インタビューに対してこんなに心を許しているんだと思ったりもしました。
こういう本を読むと、俺は何にも知らないんだなとか、自分にできることがあるのかなとか、力不足だなとか、あれこれ考えてしまったりするんですが、何とか番組をやり終えられればという心境。この後、清志郎さん話、増えるかもしれません。
というわけで、今日は浜田さんの10年ぶりの新作「Dream Catcher」の発売日。どんな風に聞かれるんでしょうか。曲ですね。あらためて「夢のつづき」を。じゃ、お休みなさい。