ゲネプロというのは、本番と同じ状態で行う通し稽古のことですね。会場は本番と同じ赤坂アクトシアター。メデイアの人とごく少数の関係者を前にして行われました。2008年の「VOL.15~夜物語・元祖今晩屋」以来、6年ぶりの新作公演が、今回の「橋の下のアルカデイア」ですね。
何しろ、書き下ろしの新曲が33曲。延べにすると46曲!全編音楽というのは、過去の「夜会」にもなかったスタイルですね。ミュージカルよりももっと音楽中心。終わってから新聞記者らの囲み取材があったんですが、そのスタイルについて「曲がたまったからでしょうか」と答えておりました。
曲が書けないという人が多いのに、「たまったから」というのは異例でしょうね。何しろ、脚本・作詞・作曲・歌・主演、ですからね。他にも美術や演出も彼女のイメージで進められる。一人のアーテイストがここまで全面的に関わった音楽舞台は世界に例がないでしょう。しかも約1ヶ月間のロングラン公演です。
今回は、中村中さん、石田匠さんという二人の歌い手が参加、彼女を交えて3人の歌で進行するというのも新しい試み。随所に見たことのない場面がありました、というようなことは控えますけどね(笑)。アッと驚く仕掛けもありました。
テーマは”捨てる”ですね。舞台が橋の下ですからね。人を捨てる、猫を捨てる、過去を捨てる、家族を捨てる、世間を捨てる、国を捨てる。色んな”捨てる”と”捨てられる”が連なって、個人と集団の物語を綴ってゆきます。みゆきさんらしいテーマだなあ、と思いました。
ただ、テーマは分かりやすいですが、何せ、全編が曲なんで、最初は戸惑うかもしれません。事前にパンフレットは目を通しておいた方が良さそうです。それにしても46曲ですからね。ミュージシャンは大変でしょうね。今日はゲネプロ。15日からの本番はまた違ってるでしょう。その時に改めて。
HYのインタビューは、自然体でじっくりという感じ。12月3日発売のアルバム「LOVER」について聞きました。初のラブソングアルバム。コンセプトに沿った力作です。彼らも30代。自分たちのレーベルを発足して二作目。油が載ってきた感じです。
というわけで、曲ですね。そう、今日はみゆきさんの新作「問題集」の発売日。舞台でも重要な場面で使われてました。アルバム最後の曲「India Goose」を。じゃ、お休みなさい。