ドリカムの代々木から帰ってきてテレビをガチャガチャ回してたら、ユーミンをやってました。あ、ガチャガチャは言わないか(笑)。これ、古いですよねえ。チャンネルを回す時代の言葉。リモコンもない時代の死語。思わず出てしまいました。
そう、ユーミンですよ。これ、フォーラムの最終日かな。僕の見たのはその日でした。「毎日新聞」には感想を書いたんですけど、良かったんですよ。最新アルバム「POP CLASSICO」を中心にしたツアー。タイトルにあるようにポップなものとクラシックなものが一体になったツアーでした。
クラシックと言っても音楽のクラシックというより”過去”というニュアンスでしょうね。新しいものと古いもの、変わりゆくものと普遍的なもの。アルバムがそういうアルバムでした。誕生をイメージしたオープニングに始まり、最後が「ひこうき雲」。
今、「ひこうき雲」をやってます。ハンドマイクだったんですよ。あれは感動しましたね。去年、あの曲がジブリの主題歌になって蘇った後のアルバムでありツアーでした。40年前の”過去”がいきなり”現在”になってしまった時、その人のキャリアというのはどうなるのか。
普通、”原点”というのは帰る場所、ですよね。でも、それがいきなり自分の”現在”になってしまった。”過去”を奪われたことであり、もはやそこには帰れない、ということにもなった。そこに立ち向かったのがアルバム「POP CLASSICO」に思えたんですね。
そのツアーで「ひこうき雲」をどうするのか。やらないわけには行かないでしょうし、そこにフォーカスが当たるのも不本意でしょう。それが、ハンドマイクだと思いました。1曲目から最後までピアノの前に座らなかったんですよ。
途中で、おやっと思ったんですね。7曲目に「経る時」をやったんです。老夫婦が都心の古びたホテルで散る桜を見ながら時の流れを述懐しているというバラード。たいていピアノの弾き語りで歌われるその曲を、ハンドマイクで歌った。あれ、このまま行くのかなと思ったら、そうでした。
ピアノの弾き語りは彼女にとって”原点”とされているスタイル。「ひこうき雲」は、その代名詞のような曲。それをハンドマイクで歌った。しかも、この70本という長ロングツアーはバンドのメンバーも一新、若返ってましたからね。
彼女の歌のタイトルを借りれば「あの日には帰らない」という意思表示を見たような気がしたんです。だって、70本ですよ。男性でもやらないロングツアー。戦ってるなあという感じでした。WOWOWではカットされてましたけど、最後のMCは「私は戦い続けてゆきます」でした。
というような話を書こうとしたんじゃないんですよ(笑)。今日はドリカムでした。彼らのアルバム「ATTACK25」も、そういう質のアルバムでしたからね。今日のライブも、過去に頼らない、”現在”であろうとするピュアなライブでした。話が変わってしまいました(笑)。
ところで、です。インターFMでネットしている「J-POP LEGEND FORUM」の放送時間が10月から変わったんですよ。今日の午後11時から。今、やってるんですよ。でも、自分の放送を聞くのが怖い(笑)。後で気づいたりすることが多いんです。どうしよう(笑)。
それよりも番組表を見てびっくり。12時からの番組がボブ・デイランの番組なんですよ。デイランがインターFMで番組を持ってるのは知ってましたけど、その前、デイランの前座番組。光栄じゃないですか(笑)。その後が尾崎豊さんの息子さん、細野晴臣さんと続いてました。
繰り返しますが、デイランの前です。番組表を見ただけで嬉しい(笑)。というわけで、思いがけずユーミン話でした。曲、そっちかな。ユーミン、「ひこうき雲」をあらためて。明日の朝、東京も台風直撃だそうです。無事でありますように。じゃ、お休みなさい。