そうなんですよ。氷室さんの大宮ソニックに行って会場の前で眼鏡をかけようとしてケースを開けたら、入ってないんです。中は空。そういえば、昨日、LUNA SEAのライブの後に簡単な25周年の挨拶会みたいなものがあって、結構遅くなったんですね。早めに食事を済まそうと思って入った渋谷のデニーズに忘れてました。電話したら保管されていたんで、事なきでしたが、眼鏡なしのライブになりました。
視力は0.2くらいなんですけど、普段はかけないんですよ。世の中見たくないものばっかりですし(笑)。だけど、ライブの時は別。開演寸前にかける。世界がくっきり見えたところで、開演気分になるんですが、そうなれないわけです。ぼんやりしか見えない。そこに人がいて動いていることは分かるんですけど、表情とかは判断つきません。
でも、じっと凝視していると何となく見えるような気もしてくる。あれは不思議なものですね。耳も澄まして神経を集中する。客席の空気や反応もリアルに感じました。自分からライブに同化しようとする。そういう意味ではいつも以上にステージに集中して楽しんでしまったかもしれません。
そういうこととは別にして、ライブは良かったですねえ。音も、歌も、演奏も、動きもですよ、爽快なくらいな切れ味だった。音も思い切り歪んでいるのにスタイリッシュできらめいている。タイトなんだけどグルーブがあって、それぞれの音が隙もなくシャープにかみ合っている。冗漫かところとか曖昧なところがない。曖昧でぼやけていたのは僕の視界くらいでしょう(笑)。
歌の表情も豊かでしたよね。深みや苦み。バラードにも過剰な感傷や甘さがない。声のかすれ具合のデリケートさと抑制された強い意志。解き放たれたような瞬間もありましたし。表情は見えなかったですけど、ライブは堪能しました。ギリシャ神話の話は出なかったですけど、日本が失いつつあるもの、という話は良かったです。
大宮はそういう良いライブが多いですよね。この前のツアーも大宮ソニックで見ましたけど、やっぱり僕が見た中でも印象的な日だった気がします。お客さんが良いのかな。会場の音も良いですし、見やすい。そう、達郎さんも「大宮は良いね」と言ってましたね。
来週は有楽町国際フォーラム。会場が大きいですからね。またスケール感の違うライブになるんじゃないでしょうか。眼鏡を忘れるような無様な真似はしません(笑)。でも、忘れたのは今日じゃないですからね。今日は持って出た、中身が入ってなかっただけです、って同じか(笑)。
というわけで、曲ですね。眼鏡の曲なんてあるかなあ(笑)。思い出しましたよ、ユーミンの「フォーカス」。度の強い眼鏡をかけてる女の子の話。今まで眼鏡を取らなかったのは、あなたに逢うためだった、という眼鏡っ子のラブソングでした。じゃ、お休みなさい。