国立競技場ですからねえ。一昨年に続いて二回目。hydeさんが「また出来ると思ってなかった」というのは本音でしょう。改築のために今月で使えなくなる区切りの公演。先週はももくろで来週がAKB48。バンドとして唯一の公演。二回やったのも、もちろん初めてになります。
一回やっているという経験が生きてる感じでしたね。あの広い会場をどう使えば効果的か。演出的にも内容的にも学習の効果が見えた気がしました。選曲的にもね。新曲も披露しましたし、ラルク、まだまだやりそうです。
でも、寒かった。半端じゃなく寒かった。コートは着ていたんですけど、風が吹き抜けてゆく気がして座っていられなかったですよ。手がかじかんで芯まで冷えました。おかげで通路でずっと身体を動かしてました。踊ってるみたいに見えたかも、です(笑)。
国立競技場に初めて行ったのは85年の6月15日、「ALL TOGETHER NOW」。拓郎さんが司会でオフコースと一緒に歌ったり、ユーミンとミカバンドがジョイントしたり、サザンと佐野さん、チューリップとチェッカーズが一緒にやったり、歴史的なイベントでした。
はっぴいえんどの12年ぶりの再結成というのもありました。あの時も広い会場だなあと思ったんですけど、あれから東京ドームだの日産スタジアムだの新しい大会場が出来たんで、あの時に感じた広さとは違う感覚でした。だだっ広いというのかな。グランドが広くて客席の傾斜が緩い。
スペースに余裕があるんでしょうね。会場全体が空に向かって開かれている。牧歌的な広さが良い感じでした。ラルクも前回よりもそこをうまく使ってました。新国立競技場のこけらも彼らがやることになるんでしょうかね。7年後だっけ。ラルクもその時まで頑張ってて欲しいですよね。
その前に、大瀧詠一さんのお別れ会がありました。あの日の国立競技場での再結成以来、はっぴいえんどがステージに立つことはありませんでした。今日、お別れ会には細野さんや松本さん、茂さんが揃ってました。そして、「ALL TOGETHER NOW」の実現に奔走した亀淵昭信さんが弔辞を読まれてました。
バンドって良いなあと改めて思いました。三人が大瀧さんの遺影の前に立った時のオーラはまさにバンドでした。45年前、まだ自分たちの未来に何の保証も持てない若者達が組んだバンドがカリスマになって伝説になってゆく。でも、彼らの中には、あの1969年の向こう見ずな若さが絆になって残っている。見ているだけで涙が出そうな光景でした。
松本さんが、大瀧さんの布団とコタツしかないアパートの一室で「春よ来い」と「12月の雨の日」の詞を書いたという弔辞を読みました。その時に残された曲に封じ込められた青春の記憶。どんなに年を取っても、それは変わることはないんでしょう。
もちろん、聞き手にもそういうシーンがあるわけで、それが音楽の良さなんでしょうが、でも、バンドはやっぱり素敵です。羨ましい。色んなことを考えながら国立競技場に行ったんですが、感傷に浸る余裕もないほど寒かったです(笑)。というわけで、はっぴいえんど「12月の雨の日」を。じゃ、お休みなさい。改めて合掌、です。