BAYFMでドリカムの特集をしてから新宿歴史博物館。「昭和40年代の新宿と音楽」というトークイベント。”講演”という言葉がどこか気恥ずかしい(笑)。なかなか面白かったです。そういうテーマでなにがしかのお金を払って聞きに来て下さいっている方達なので、相当にマニアックな話になりました。
でも、昭和40年代というくくりは語り甲斐がありますね。60年代とか70年代と西暦で区切った時には網羅しきれないことが包括されている。だって60年代後半の5年間と70年代前半の5年ですから。片やGSやニューロックの台頭、片やフォークソングの商業化という10年ですよ。
それを新宿を舞台に語ってゆく。ほぼ丸ごと自分の生活と重なり合う。お茶の水の大学に泊まり込んで新宿のジャズ喫茶で夜明かししていた頃から「新宿プレイマップ」の編集部員として取材も兼ねてうろうろしていた、そして、深夜放送に関わるようになった時期。ま、青春と言って良いでしょう。
しかも、歴史博物館では「昭和40年代の新宿写真展」をやってますからね。歌舞伎町の深夜喫茶も西口フォークも西口新都心の出来る過程も写真として展示されている。話とリンクした感じでした。改めて面白い時代だったなあと思いました。
こちらが年を取ってしまって今の新宿を知らないということもあるでしょう、新宿自体が変わってしまって、もうあの頃の自由なエネルギーはないということなのかもしれませんが、色々思い出したい気がしました。いつかあの頃を舞台にした青春小説を、と思ってもう25年は経ってしまいました。
イメージはあったんですね。小林信彦さんに「夢の砦」という名作があります。東京オリンピックを挟んだ東京を舞台にした自伝小説。彼は「ヒッチコックマガジン」というミステリー雑誌の編集をしてましたからね。その頃の話なんですよ。
そして、嵐山光三郎さんに「口笛が聞こえる街」という小説があります。それは、60年代半ばから後半の渋谷を舞台にした小説なんですね。その続編とも言える小説が書きたいな、と思ったのが80年代の後半だ。「新宿プレイマップ」創刊から74年くらいまでの4,5年間。結局、書かないままになってしまってますが。どうなんだろう、このままになってしまうんでしょうか、って他人事みたいじゃん(笑)。でも、普段は話さないようなサブカル話が出来て楽しかったです。
というわけで、曲であります。何だろうなあ。ゴールデン街でよく一緒に飲みました。三上寛さん。藤圭子さんの「夢は夜ひらく」を歌ってました。懐かしい、という感じじゃないな。あまりに色んなことがありすぎて整理がつかない。今の方が良いです(笑)。じゃ、お休みなさい。