プールサイドにいてばかりじゃ、というんで行って参りました。ホエールウオッチング。実は、去年、ワイキキで行ったんですが、ほんの一瞬、それも遠目で見ることしかなくて、看板に偽りあり、みたいな気分になったんで、今回も半信半疑でした。
相手は自由自在、勝手気ままに太平洋を遊泳しているわけで、運がなかったと思えばそれまでなんですが、今回は違いましたね。感動的な遭遇場面が随所にありました。去年のワイキキが嘘みたいにすごかったですよ。
船も二階建てに遊覧船に毛が生えたみたいな、もちろん毛は生えてませんが(笑)、シンプルな船。去年のデイナークルーズに出るみたいな大型船とは大違い。船酔い、大丈夫かなと思うくらいの頼りない船だったんですが、それが良かったんでしょうね。
クジラがいそうな沖合でエンジンを止めて波に揺られている。天気が良かったんで、そうやってゆらゆらしているだけで、色んなことを忘れさせてくれる時間でした。そうしたら、ですよ。あちこちにいるわいるわ。潮が吹かれたり、波間にジャンプしたり、尾ひれがせり上がったり。
姿を消してからしばらく待っている、少し離れたところに浮き上がってきて、弧を描いてまた姿を消す。ミスチルのアルバム「SENSE」のジャケットみたいにお腹を見せて空中に飛び上がった時は、声を上げてしまいました。雄大でした。
クジラは今の時期、出産のためにハワイ海域に来るんだそうです。完全に僕らが彼らの生活圏にお邪魔しているという感じでした。そうやって2時間ほど素晴らしい光景を目にして港に戻る途中にイルカが並走、歓迎してくれているようでした。
海はすごいなあ、という素朴な実感というんでしょうか。そして、海は、こういう動物たちのものだよなあ、という再認識。ハワイ島では、砂浜から10フィートかな私的な建築物を作ることが禁止されているんだそうです。
砂浜や海岸は誰のものでもない、ということなんでしょうね。そういう島にクジラの群れはよく似合いました。言わずもがなですが、この海に、放射性廃棄物を流すということが許されるはずがない。そんな権利は誰にもない、ということを改めて痛感した次第でありました。
というわけで、曲ですね。ミスチル。「擬態」。ほんとにあのアルバムジャケットのような瞬間でした。じゃ、お休みなさい。」