今日、誕生日なんですね。1935年1月8日生まれ。生きてれば79才か。すごいな。生きてればという仮定自体がそんなに意味がない年齢ですね。どっちにしろ生きてない確率の方が高いということになるか。死んだのは42才。若かったんですね。
命日じゃないんで、死んだ時のことは辞めましょう。何で気づいたかというと、大滝さんのアルバムを聞いてたんですよ。今週のBAY FM「MIND OF MUSIC」で彼のアーテイスト人生を振り返るという特集をするんで、あれこれ聞いていたわけです。
彼のソロアルバムに「いかすぜ!この恋」という曲があるんですね。エルビスの曲のタイトルばっかりを並べて歌詞にして歌っている、一種のノベルテイソング。パロデイソングみたいなもんです。歌い方もエルビスそっくり。発売になった時からにんまり、という曲でした。
で、あ、1月8日、誕生日だ、と思ったんですね。さっき広げた毎日新聞の夕刊にもコラムニストがエルビスのことを書いてました。でも、どっかリアリテイを感じなかったんですよ。資料通りというのかな。バイオグラフィの抜粋という感じでした。
大滝さんほどじゃないですけど、僕も、洋楽の原点はエルビスですからね。小学校4年かな。最初に「ハートブレイクホテル」を聞いた時の妙な感触は今でも思い出せます。身体がざわざわするような、ドキドキするような、血が逆流するような感覚。俺、どうしちゃったんだろうという感じ。今思えば、あれが初期衝動というやつなんでしょうね。
三つ上の姉がいて、彼女が「スクリーン」という映画雑誌を取っていたんですよ。そこに、客席の女の子が熱狂して、はいていた下着をステージに投げるという新人歌手がいる、という記事が載っていた。食事の時に姉貴とオフクロがそんな話をしていたのが、耳に残ってたんですね。
何かの時にラジオで「ハートブレイクホテル」を聞いた時に「これか」と思った。そこからですね。最初に買ったレコードは「監獄ロック」の33回転シングル。サントラ7曲入りかな。黄色いジャケットにエルビスが腰を落として歌う格好した写真が印刷されているやつですよ。
10代の時に一番多く見た映画は「ブルーハワイ」。挿入歌は全部歌えます(笑)。ハワイ好きはそっからですね。年期が入ってるでしょ(笑)。エルビスの映画、当たらなかったんですよ。不良の音楽、不良の映画とされてましたからね。変わったのは「GIブルース」からですね。
「監獄ロック」なんて最初は一週間でお蔵入りだったんじゃないかな。「ブルーハワイ」がヒットしてから再公開された。僕もそこで見ましたから。ビデオなんかないわけで、歌う姿を見るのは映画しかない。まあ、これはビートルズも同じでしょうけど。
大滝さんは岩手ですからね。相当、少数派だったと思いますよ。だからのめり込み方も尋常じゃなかった。70年代の彼のアルバムを聴いてると改めて痛感します。そこからもっとその奥に入っていった。それが常人と違うところでしょう。研究家です。
帰る場所、ということは考えないようにしてるんですけど、もし、自分にあるとしたらやっぱりエルビスでしょうね。年に何回か一人でカラオケボックスに行って歌ったりするんですよ。立って、ポーズを真似たりして。人には見せられません(笑)。
最近は誕生日も忘れてました。大滝さんが思い出させてくれたのかもしれません。じゃ、その曲を。「いかすぜ!この恋」。時代を感じるタイトル。エルビスの映画のタイトルでもありました。ヒットしなかったですけど。じゃ、お休みなさい。