さんというほど身近な人ではないですけど(笑)。すごかったですねえ。終わってからもすごいという言葉しか出てこなかった。予想を遙かに凌いでおりました。おつりというか、おまけというか、余生でライブをやってる感じがしない。ほぼ3時間。まさにポールマッカートニーでありました。
いや、ほんとにすごかった。キーも変わらず声量もある。衰えという言葉はみじんもない。老いという言葉があるとしたら、顔のしわくらいでしょう。体型や動き、演奏には全く感じさせない。71才ですよ。シャウトですよ。アンコールがビートルズの曲の中でも一番激しいと言われるシャウト系ロックンロール「へルター・スケルター」だったんですから。
しかも、昨日までのセットリストになかった「アイ・ソー・ハー・スタンデイング・ゼア」と続けたんですから。すでに30曲を歌って2時間半を越えてからのアンコールで、20代前半と後半の時のロックンロールをシャウトしている71才。それが全く不自然じゃない。気持ちよさそうに叫んでいる。仰天でした。
もちろん、「ヘイ・ジュード」とか「レット・イット・ビー」とか「ロング・アンド・ワインデイング・ロード」とかバラードの名曲はありますけど、ロックンロールが際立っていた。ポールというとメロデイー・メーカーという印象が強いですけど、どっこい、稀代のロックロンローラーでありました。それがメチャクチャ嬉しかった。
映像でしか見たことのなかったウィングス時代の「死ぬのは奴らだ」なんて、あの当時よりも演出も派手でしたからね。オールタイム・ベストの選曲で、キャリア・ハイとも言えるベストなライブを展開した。そんな71才がいますかって、いたんですよ、東京ドームに(笑)。
ほんとに良いライブでした。枯れるとか、成熟するとか、何言ってんだか、という感じね。メッセージは大人でも、生涯ロックンローラーでいいじゃないか、という感じ。これが一番好きだ、みたいな感じね。自分が楽しんでいる感じもあるわけです。みんなを楽しませることと自分が楽しむことが一致している人のコンサートでした。
熱、収まりました(笑)。そんなこと言ってる場合か(笑)。叫べ叫べ。日本のアーテイストはどんな風に見たんでしょうねえ。60代半ばから後半のアーテイストには刺激にも励みにもなったんじゃないでしょうか。お手本、教科書、目標、永遠の憧れ。出来ましたねえ。という一夜でした。
曲ですよ。ビートルズ「アイ・ソー・ハー・スタンデイング・ゼア」を。ジョンもジョージも永遠です。じゃ、お休みなさい。