映画二本立てでありました。一本は「藁の楯」という映画。公開はもう少し先になるのかな。試写会ですね。主題歌を氷室さんが担当しているということで試写会の案内が来ました。すごい映画でしたねえ。孫を殺された政財界のドンが、犯人を殺してくれたら10億円の謝礼を払うという前代未聞の広告から話が始まります。
その犯人を生きたまま警視庁に護送するという命令を受けたSPが主人公。大沢たかおと松嶋菜々子が主演してました。日本中がその男の命を狙う中でどうやって警備するか。金に目がくらんだ普通の人が凶器を手に迫ったかと思えば、とんでもないどんでんがえしもある。アクション撮影のスケールの大きさも見所でした。
こういう悪人映画は、昔の日本映画にはあんまりなかったですが、時代なんでしょうね。氷室さんの主題歌「NORTH OF EDEN」は、エンデイング効果的に流れてました。終わってからすぐに席を立つというカタルシスのある映画でもないんで、音楽が印象的でした。監督三池崇史。氷室さんと同じ年生まれなんですね。映画の資料に、主人公のSPの物欲を超えた生き方に「武士道のような美学に共感」という氷室さんのコメントも載ってました。
もう一本は「1224」。六本木のTOHOシネマ。87年12月24日のBOO/WYのライブのドキュメントフィルム。今日から公開です。今日、3月21日は彼らの31回目のデビュー日。高橋まことさんの舞台挨拶もありました。昼の回は売り切れになってましたけど、僕が見た夜の回は若干空席もありました。会場によって昼夜の密度が違うのかもしれません。
ということよりも、です。入り込みましたねえ。何より音がすごい。サラウンドですから、実際の渋谷公会堂よりも臨場感があるかもしれない。実際のライブよりもある、というのは語弊がありそうですけど、聞きやすいというか、整理されている。作品自体は、以前DVDで出たものと変わらないのですが、演奏も歌も全く違って聞こえると言っていいでしょう。
何しろ大画面ですからね。ほんとに、家のテレビでDVDを見ていた時には感じなかったことや見逃していたこと、気づかなかったことが一杯ありましたよ。メンバーの表情や仕草、動きのリアリテイ。ライブ会場のスクリーンとは違う迫力。拍手が、今、この映画館の中で起きているような感じさえしました。
BOO/WY、演奏もうまい。氷室さんの歌もこんなに切れてるのか、というのもあれだけの音量があってこそでしょう。もちろん、ライブ会場ではないですから、観客の熱気の空気振動というか、空気の熱量みたいなものはないですけど、ライブを楽しむということではDVDとは天と地ほどの違いがありました。
BOO/WYに関しては、手を変え品を変えで様々な企画物が出てますし、それに対して”商法”と批判的な方もいらっしゃいます。でも、そうやって新しい形で紹介されるから、こうやって改めて取り上げることも出来るわけでし、新しいファンも生まれるんだと思ってるんですよ。良いバンドだよなあ、というのは改めて心から感じたことでもありました。
というわけで2013年3月21日、25年前のBOO/WYと今の氷室さんを感じた一日でした。曲ですね。フォークのバンドじゃねえんだから、ジメッとすんな。泣けました。「DREAMIN’」を。じゃ、お休みなさい。