というわけで三度目の正直。でも、この話はどっから始まったんだっけ。そうか、沢田さんの「我が窮状」をYOU TUBEで見たということからでしたね。で、30年前に大阪の「スポニチ」で彼のことを一ヶ月間同時進行連載で書いた、という話を思い出したんだ。その連載が、一年目、矢沢さん、二年目、ショーケン、三年目がジュリー。その連載がネットにアップされているということでした。
こうやって確認してゆかないと思い出せない(笑)。その場の思いつきで書いてますからね。翌日になると気分も違ってるし、そのことはもはや頭になかったりするわけです。今、頭を30年前に戻しております(笑)。だって、ジュリーはともかく、ショーケンは現役感が全然違ってしまいましたから、今や、その人誰、という感じでしょうし。
ショーケン、いい俳優さんでしたよねえ。過去形にして失礼ですが。シンガーとしてもです。これは以前、吉井さんのことを書いた時に触れたと思いますが、指先で演技しながら歌える男性は、吉井さんの前にはショーケンしかいなかった、と思うんですよ。女性では越路吹雪さん、男性ではショーケンでしょう。
そう、越路吹雪さんという名前は彼の口から出たのかな。それで何か答えが出た気がしたのを覚えてますね。そうだったんだ、という感じでした。ストーリー性のある歌唱、トーキング・ブルースのような歌。シャンソンのようでもありました。それが越路さんだったんですよ。ということもその時の連載で書いた気がします。
大麻騒動で捕まっておきながら、自分のステージで、客席から投げ込まれた煙草の吸い殻を拾って、「誰だよ、こんなもん吸ってるの」って、大麻を吸うみたいな格好をするというブラックなギャグもあったりしました。そういう際どいエンターテインメントが出来る人でした。
一見、アンバランスな危険さはショーケンの方がありましたね。何をやるか分からない。彼の自伝本も「俺の人生どっか変」というタイトルだったんじゃないかな。ジュリーはそれに比べて、クールな二枚目、という印象だったんですね。でも、その「誰も書かなかったジュリー白書」を取材している間に、そう見えるけど、実はそうじゃないんじゃないか、と思ったんですよ。
ジュリーがその時主演していたのはテロリストが主人公の映画だったんですね。外見は無表情だったり淡泊だったりしても、それは世を欺くというか、本当の心の動きを覚られないための仮面という役柄が似合ったんですね。外見は、そんな風に見えないけれど、内側には、触れただけで爆発してしまいそうな危険な何かを押し殺して持っている。その頑固さの度合いはジュリーの方が強いのかもしれない、と思ったわけです。
というようなことを書いたのかな。でも、二人とも好きでした。てなことを書いているとそろそろ45分だ。時間切れ。寝る前45分という制限時間ありなのは、ずっと変わってません。ショーケンは今後どうなってゆくのかなと思います。三國連太郎さんみたいな老性格俳優になると良いんでしょうけど。
曲ですね。ショーケンの「大阪で生まれた女」を。絶品であります。じゃ、お休みなさい。