という歌があるんですよ。歌っていたのはROUGEというバンドですね。何を書こうかなと思ったんですよ。この間から何となく気分は「ゆく夏を惜しんで」という感じでしたからね。今年の夏、何があったかなあ、と思い出していて浮かんだのがこの曲でした。この夏、一番感動したこと、ということになるんでしょうか。
もう何度も愚痴っぽく書いてますけど、今年の夏は”お籠もりサマー”でしたからね。8月は野外もコンサートもほぼ全滅状態。こういう一年があってもしょうがないかと”あきらめの夏~”と「夏をあきらめて」になってました。じゃ、その曲か。ということじゃないんですよ、書こうとしていたのは。
今年数少ない野外イベントの中で一番感動したシーンがこの曲でありました。7月のap bank fes12ですね。ROUGEというバンドはすでに解散してしまって存在しません。85年から90年まで活動してました。氷室さんのバンドでずっとベースを弾いている西山さんがいたバンドですね。
群馬出身、BOO/WY、BUCKーTICKと並んで群馬出身三大バンドと言われていた時期もありました。で、「終わりのない歌」は、彼らの代表曲でもあります。この曲を、BankBandが取り上げたんですよ。それも映像つきでした。その光景が感動的だったんです。
ROUGEのヴォーカリスト、奥野敦士さんは、数年前、事故で大けがをされて、今、車椅子で生活されてるんですね。で、サイトに車椅子で歌う姿をアップしたりしているようでした。BankBandの櫻井さんは、その車椅子で彼がルイアームストロングの「素晴らしき世界」を歌う様子を紹介してから、この曲を歌ったんです。
櫻井さんは、当時ROUGEが好きで、今回、歌いたい曲をピックアップしている時に、彼がそういう状態にあることを知ったんだそうです。わざわざ群馬に逢いに挨拶に行った、という話もしてました。奥野さんのホームページには、逢いに行った櫻井さんと一緒に映った写真が残ってます。
スクリーンを使ってのデユエット。感動的でしたよ。どんなに元気な人にもいつ何が起こるか分からない。それは2011年の教訓でもあるでしょう。そうやって突然、日常生活を奪われてしまったミュージシャンが、それでも明るく歌っている。そんな姿を紹介しつつ、その人の曲を共有する。
これもリスペクト、ということになるんでしょうね。これから、そういうシーンも増えてくるのかなと思ったりしてました。誰もが健康なまま生きられるわけじゃないですし、そういう時に音楽が意味を持つ、ということもあるんでしょうね。夏フェスと呼ばれるイベントの中でも地に足のついた珍しい光景を見た気がしました。
ということを思い出したりしたんですね。今日の「ゆく夏を惜しんで」。心の中の「終わりのない夏」を惜しみながらこの曲を、です。もし、映像がご覧になれるようでしたら、是非、BankBandで。今日はオリジナルを。ROUGEの「終わりのない歌」。じゃ、お休みなさい。