をやってきました。今、東京駅の地下のタリーズ・コーヒー。いつものバイキングのお店はパーテイで貸しきりでした。で、「MIND OF MUSIC・今だから音楽」、拓郎さんのアルバム特集。例によってインタビューとかはなくて、勝手に曲を流してしゃべっているだけです。
ちゃんとやれたかな、と反省モードですね。ニュアンスを伝えられたか。そう、今回のアルバムって”ニュアンスのアルバム”という気がしたんですよ。とっても細かいニュアンスが形になっている。これがテーマです、とか、これがメッセージです、という色が淡い。一色じゃない。単色じゃないというんでしょうか。
それが「午後の天気」というタイトルでもあるんでしょうけどね。若い頃の空模様というのは、快晴とか嵐とか、はっきりしてるんだと思うんです。そういう天気で毎日を過ごしていたんでしょうけど、年を取るとそんなにはっきりしたお天気ばかりじゃないわけですよ。むしろ、曖昧なお天気、ぼんやりした気分の日の方が多い。
そういう音のアルバムでもあるように思ったんです。細かいニュアンスにものすごく気を使われている。何が気持ち良いか。音の鳴り方や個々の楽器の立ち方、その音が作り出す空間の温度感とか。先週の「ANNG」でいみじくも言っていた”譜割”の微妙というんでしょうか。
あの話、面白かったですねえ。謎が解けた、というと大げさですけど、何で拓郎さんのヴォーカルが気持ち良いのか、彼が弾くギターが他の人と違うのか。その答えの片鱗を見たというか。感覚的で微妙すぎてなかなか説明がつかない。今回のアルバムも、そういう”心地良い空気”のオンパレードのようです。
”等身大の空気感”ね。今、こういう空気が気持ち良いとか、この響きが好きとか。全編に流れているのはそれじゃないでしょうか。その上で、今、ほんとに口に出来ること、言葉に出来ることだけを歌っている。そういう意味では混じりっけのないアルバムなんだと思いました。
声高に生涯現役などと口にしなくても、アルバム自体がそういうことを伝えている。「僕の道」というのはまさにそういう曲でしょう。そう、声高じゃないんですね。誰よりも”声高な人”のように思われてきましたし、そういう風に伝わることが多かったですけど、そういうフィルターのないアルバムでしょう。
達観、とか、諦観。年を取ることや、この先のことまでも淡々と見ているような感じ。そこはかなとない寂しさも見え隠れしますし、こういう日常なんでしょうね、、というようなことと、若い人に拓郎さんというのはどういう存在なのかを分かってもらえたら、という放送でした。
今回、インタビューを全く受けてませんよね。ニュアンスが伝わらない、ということで受けない、と言ってましたけど、確かになあ、という感じですね。この音とこの音がぶつかった時の響きが気持ち良いからとか説明もつかないでしょうし。アルバムで大概のことは言ってる気がしました。
それでいて、明日の「ANNG」で、克明な全曲解説があったりするかもしれませんが(笑)。それも楽しみにしましょう。というわけで、今日は、ふっふっふ、孫が来るんです(笑)。さて、曲ですね。拓郎さんの3年ぶりのアルバム「午後の天気」から「昨日の雲じゃない」を。じゃ、また。