という方がいらっしゃるんですよ。ご存じない方の方が多いでしょうねえ。昨日、彼のライブ見ました。と言っても僕らがイメージする”アーテイスト”というわけじゃないですけど、音楽をやっている人。でも、”アーテイスト”と呼んでみたくなるような人なんですね。
何とも勿体ぶってるね(笑)。場所は渋谷・神泉のライブハウス。店内はビートルズの写真やフィギュアが所狭しと並んでいる、見るからにビートルマニアが経営しているお店。そこで何と3時間半。しかも、その人は今年がデビュー35周年なんですよ。
デビュー35周年で3時間半のライブと言えば、思い浮かぶのは二人しかいません。浜田さんと達郎さんですよ。ともに今年がソロデビュー35周年。でも、今、勿体付けて書いているのは、当然その二人ではありません。僕も初めてライブを見たんですが、こんな人、いるんだ、と半ばビックリした人であります。
何者か、いい加減に白状しなさい(笑)。声帯模写なんですね。物まねと言わずに声帯模写という。その辺もきっちりこだわっているデビュー35周年。その人のことは知ってたんですね。「歌マネでつづる戦後歌謡史」という企画で、芸術祭の優秀賞を受賞しているという人であります。
渋谷のライブハウスというのが妙にひっかかったわけです。声帯模写とライブハウス。しかもフォークソングをやります、という案内がありました。更に、生演奏、というおまけもついてました。ライブハウス?生演奏?声帯模写?といういくつかの?とともに金3500円也のチケットを買った次第です。
これが面白かった。一部と二部に分かれていて、一部はビートルズ来日当時の歌謡曲シーン、二部がその後のフォークシーンという構成。橋幸夫や舟木一夫の御三家から東京ロマンチカやクールファイブのムード歌謡、和田アキ子や沢田研二などのロック歌謡、これでもかのオンパレード。
二部は、千春やアリス、チューリップからかぐや姫、さだまさし、長渕、西岡たかし、加川良、陽水、拓郎、ですよ。他にもいましたね。ワンコーラスもやらない曲もあったりするんで、一体何曲やったんだろうというくらい。堀江淳のマネをする人に初めて会いました。
もちろん、それだけやれば、中にはそんなに似てない、という人もいるんですけど、そういう次元じゃない。
何しろ、すごいのは、曲やアーテイストの紹介を交えながらやるんですよ。その曲がどんな人たちによって作られたか。その背景はどういうものだったのか。実は、こんなエピソードがあるとかね。
まあ、オタッキー。その曲は最初はB面だったとか、タイトルはこんな偶然からついたとか、売れる前はこんなことをやっていたとか。千春の時なんか、彼を発掘したSTBラジオの今は亡き竹田デイレクターとのやりとりを交えながらやる。解説もパフォーマンスも全部一人でやってしまう。
その知識たるや半端じゃない。歌謡曲編には、へえ、そうだったんだと思うことも何度かありました。「ペニーレーンでバーボン」がなぜ放送禁止になったかを解説しながら真似てしまうんだから、あれま、でした。もちろん、拓郎さんみたいに歌える人なんていませんから、そこはそれ、ですけど「マークⅡ」は感じ出てましたね。
あんなにマニアックで、テレビのお笑い系の人には絶対分からないだろうなと余計な心配もしてしまいました。客席は満員でしたけど、僕が一番楽しんだかもしれません(笑)。フォーク酒場、なんかどうなんだろう。でも、中津川じゃないですけど、頭の固いフォークファンは許さないかもね。似てない、とか言って怒りそう。
そう、「中津川フォークジャンボリー」のサブステージ話つき「人間なんて」もありました。知ってる人なんかいないじゃんね(笑)。少なくとも、歌が好きで好きでしょうがないということはビシビシ伝わってきます。歌謡曲編はカラオケ、フォーク編は、バイオリンと生ギターの演奏つき。8時開演、休憩を挟んで3時間半歌いっぱなしでした。
まあ、珍しいものを見ました、ということで、もしご興味あれば。9月にはホールでやるそうです。明日は、COMPLEXの東京ドームだ。その前に「MIND OF MUSIC」の台本だね。あ、シャンプー話、毛しませんでしたよ。あれからやってませんけど(笑)。
曲だ。みゆきさんの80年代について短い原稿を書くんであの頃のアルバムを聞いてましたけど、「はじめまして」は、良かったですねえ。「僕たちの将来」で一度終末が来て「はじめまして」で再生する。「24時着0時発」と同じだ、と改めて思いました。でも、みゆきさんのマネを出来る人もいないね。2011年、まさに「僕たちの将来」を。じゃ、お休みなさい。