松本さん、すごいねえ。ニューエイジミュージックとか外国音楽賞じゃなくてポップインスツルメンタルですからねえ。アメリカの産業音楽のど真ん中の賞なわけで、今までの受賞とはちょっと意味合いが違う感じですね。
まあ、ラリーカールトンとやろうと持ちかけた時にそこまで見通していたかどうかは分かりませんが、どうなんでしょうね。あわよくばというのはあったのかな。それは彼の発言を待ちたいですね。仮に意図していた、狙っていたとしてもその通りになるとは限りません。
彼は、今までも中国的な音楽にもトライしてますし、単なるアメリカンミュージックのフォロワーじゃないという評価もあったのかもしれません。アメリカ人の肉体的なテクニックとも違う繊細さも持ち合わせているでしょうし。何はともあれおめでたいことであります。
BZとしてどうなってゆくのかなという興味ももちろんありますよね。松本さんのみならずジャズとかも含めて、インスツルメンタル音楽での日本人ミュージシャンの力量というのは世界的にも評価されているのは間違いないでしょうが、問題は歌モノでしょう。ここが難関ですね。
今年は「上を向いて歩こう」から50年という区切りの年ですが、あの「スキヤキ」の栄光というのは、いかに意味があるかということを再認識させられます。あの辺のことはもっと書かれても良いんでしょうけど、もう当時を知っている人が少なくなってますからね。出来れば、僕もそこに加わりたいですが、なかなか思うようには行きません。もう断念、ですね。
グラミー賞のバリューというのは、やっぱりありますね。日本ではそういう賞がないわけで、その辺がさみしい。1958年にレコード大賞が発足した時、中心人物だった作曲家の服部良一さん、古賀政男さん、評論家の平井賢さんの中には「日本のグラミー賞を作ろう」という理想があったと、平井さんがお元気だった時に彼から聞いたことがあります。
今のレコ大がそれに値しているかというのはまた別の問題になりそうですが。そうだ、80年代の初めに、小田さんや拓郎さん、加藤さんを中心に、そういう動きもあったんですよ。でも色んなメデイアの利害とか絡んだりして時期尚早ということで実現しなかったわけです。
その時に動いた人たちもあの頃とは状況が変わりましたからね。もう一度ああいう動きが生まれるとは思えませんけど、せめて自分の仕事では、”一人グラミー賞””一人ポップスの殿堂”という気分でいたいとは思ってるわけであります。ということで、おめでとう松本さん、です。
一日中、FENを聴きながら、原稿。穏やかな日でありました。お天気も良かったですからね。昨日の夜の降雪には驚きましたが。今年はこれだけ寒いんだから雪が降らないのが変という気もしてましたし。近所の小さな川も生意気に雪解け水、ということになりますね。白い鷺が来てました。
ということで曲です。坂本九さん、「上を向いて歩こう」かな。涙がこぼれないようにね。受験生にはうれし涙になりますように。松本さんも流したかな。じゃ、おやすみなさい。