台風、すごかったですね。昨日、泊まった幕張のホテルは海岸近くの割と高層な建物だったんで、一晩中、風がゴーゴーと唸ってました。海風ですからね。陸地の風と音が違いました。外を見たわけじゃありませんけど、音だけで水平線を巻き上げる様子が見えるようでした。
ホテルの空調が苦手なんですよ。そんなに高級なホテルでもなかったんで、室内の温度調整が思うようにならないで、夜中に暑くなったり寒くなったり、空気が乾燥していたんで、お風呂にお湯をためたりで一時間ごとに起きたりして、消化不良な睡眠でありました。
若いころはどこでも寝られたのにね。新宿の歌舞伎町の公園の滑り台で寝ていたこともありますし、電話ボックスの中で仮眠したこともありました。分かります?受話器の下の電話帳を置いてある台に腰をあてて、両足を前に突っ張って、頭をガラスにつけて”く”の字になって寝るんですよ。もし、興味があったら、やってみてくださいって、誰がやるかい(笑)。
ホテルもそうだったんですけどね。どんなホテルでもOkだった時期もありましたけど、もう駄目です。早く家の布団に寝たいと思ってしまいました。そう、そんなヤサグれた生活をしていたのは20代ですよ。20代の前半、学生時代かな。若かったです。氷室さんの「Dear Algernon」みたいな日々ね。
何だって、テーマは(笑)。そう、27才ですよ。27才。ロック史にとってのエポックメイキングな年齢。ジャニス・ジョプリン、ジム・モリスン、ジミ・ヘンドリクス。みんな27才でなくなりました。70年代の若者にとって、最初に超えないといけない年齢が27才でありました。
今よりも大人になるのが早かったのかな。30以上は信じるな、と言っていた時代ですからね。27才というのは、もう若者じゃない、と漠然とした不安みたいなものに直面する年齢だったんだと思います。かく言う私は、27才の時に父親になりました。
新宿の公園で寝ていた男が父親になんか、なって良いのか、と本気で考えた時でしたね。一生懸命仕事しないといけないとか、こんなことしている場合じゃないとか。そういう意味では転機の年だったんだと思います。
今の27才はどうなんだろうね。宇多田さんの場合は、精神的な成長が早かったとも言えますね。早くして大人の世界に接触したり、一人立ちしないといけない状況を経験したり。やっぱり、30を前に、いろいろ考えたんだと思います。
27才ね。そう、思い出した当時の歌がありますね。杉田二郎さんの「27才」という曲。作詞は北山修さんでした。朝、鏡に写った自分が父親に似てきた、という歌ですね。ジーパンを履いて、髪の毛も赤い、自分では全く違う生き方をしていると思っていた父親に似ていることに驚くわけです。
当時、27才というのは、そういう年齢でありました。遥か昔ですよ(笑)。ということで、もはや覚えている方もいらっしゃないでしょうが、杉田二郎さんの「27才」を。じゃ、おやすみなさい。