明日は佐渡、何だか歌謡曲みたいな気がしませんか、っていうのはオヤジの先入観かな。「ひばりの佐渡情話」とか、そういう歌があったせいもあるんでしょう。GLAYの佐渡島公演。今回のツアーのファイナル。あんまり行ったことのない街に行くと言うツアーの象徴的な場所ですね。
当たり前ですけど結構時間がかかる。根がお調子モノですからね、「面白そうだなあ」ということだけで決めてしまうわけですが、他のことをほとんど考えてない。じゃ、泊まりはどうするとか、何時間くらいかかるのかとか、いざとなって途方に暮れる。この繰り返しですね。
新潟港からジェットフェリーと普通のフェリーがあることも知らなかった。というか、忘れていた。浜田省吾さんのツアーで行ったのは、もう10年近く前でしょう。あの時は、取材でオフィシャルな形でしたけど、今回は押しかけみたいなもんすからね。
宿も港のある両津から車で数十分のところの民宿。会場までも一時間近くかかるそうです。やっぱりファンで一杯なんでしょうね。ようやく取れたのがそこでした。「B・PASS」に原稿を書くことにはなったんで、編集部も協力してくれたのですが、状況が状況であります。
一人旅の佐渡、なかなか渋いかなと勝手に思っておりますが。港から会場までバスがあるという話も掴んだんですが、行ってみないと分からない。早めに行かないとだめかも知れませんね。島に着いたわいいけれど、会場まで辿りつかなかったんじゃシャレになりません。
そういう夢はしょっちゅう見るんですよ。一番多い夢かな。会場が見えているんだけど辿りつかない。どんどん遠ざかっしまう。会場には着いたけれど入口が分からない。とっくに開演している。そういう夢。どっかに潜在的な恐怖になってるのかもしれません。
当初は、少し仕事をしてから行こうとか、明後日、東京に戻ってからやろうとか思ってたんですが、無理だろうなあ。交通の便を考えると二日間つぶすつもりじゃないと駄目でしょうね。PCは持ってゆきますが、ネットがつながりますか。
でも、そういうところの方がコンサートは盛り上がりますよ。それが見たくて行くわけですけど。GLAYは、今までのレコード会社を離れて自分たちのレーベルを作りましたからね。レーベルというのは、自分たちの制作拠点という意味になりますね。
発売や宣伝関係をフォーライフレコードと一緒にやるんですね。以前、新聞に出た「移籍」ではないわけです。「設立」「発足」。自分たちのレーベルを作って、それをフォーライフと共同で進めてゆく。ビートルズがアップルという自分たちのレーベルを作ったのと同じと言って良いでしょう。
そういう意味では全ての責任は自分たちになるわけですね。理想としていた環境に一歩近づいたことになります。そんな矢先のツアーを、佐渡島で締めくくるわけですからドラマチックにならないわけがない。前後を顧みずに行くことにしてしまったわけです。
という電話をあちこちにしている時に、週刊Pから電話がありました。「桑田さんが癌のようなんですが」という知らせに絶句でありました。食道癌だそうですね。でも、拓郎さんも言ってましたけど、この”癌”という漢字は嫌ですねえ、実にやな感じ。
早期発見だそうで、大事には至らないと信じてますが、ともかくも早い復帰を祈ります。ほんとに何が起きても変じゃない時代になりました。健康でコンサート会場に足を運べることを感謝しながら、日本海を渡ろうと思います。
ということで、曲です。この曲は、そういう、決して都会とは言えない街で聞くと、ほんとに胸に沁みます。「HOWEVER」を。明日も聞けることを願って。じゃ、おやすみなさい。