消そうかなと思ったんですが、一度書いたものを消すのも潔くないし、死んでしまった人の話を消すというのはもっと縁起でもない気がして、そのままです。というか、いくつか補足しないとと思いました。そうなんだ、と思ってもらえるかもしれません。
彼が演劇プロデユーサーとして制作した作品の中にATGで上演された「スパイ物語」がありました。作は別役実さんという作家。主演は、ダブルキャストだったんですが、記憶に残っているのは常田富士夫さん。ときたふじおと読みます。知ってますよね、「日本むかしばなし」の人ですよ。
ATGというのは正式にはアートシアターギルド。新宿の三丁目にありました。今は、何になってるんだろう、ユニクロかな。H&Mかな。新人監督の上質な映画制作を支援するために資金提供していた組織で、そこは映画館であり芝居小屋でもありました。
そこに隣接していた地下の小空間がさそり座で、浅川マキさんと拓郎さんのジョイントコンサートが行われたりしていたところですね。もはや何の片鱗も残ってないですけど。その「スパイ物語」に出ていたのが六文銭ですよ。
出ていたというか、ステージの脇の方に居っぱなしで狂言回しのように音楽をつけていた。つまりミュージカル仕立てでありました。その中にあったのが、あの「雨が空から降れば」でした。というと、少し印象が違ったんじゃないでしょうか。違わないか(笑)。
古い話だな。1969年だから41年前か。もう一つ付け加えれば、拓郎さんを初めてインタビューしたのがその「タイフーン」という雑誌でした。78年だ。自分の雑誌だということで、会って話してみたい人をインタビューして休刊したわけです。放送作家時代は叶いませんでしたから。
拓郎さんと矢沢さんと陽水さん。拓郎さんはフォーライフの社長になった時、矢沢さんは後楽園球場のコンサートの前、陽水さんは、社会的にも迷走している時期でした。そうやって考えると、感慨深かったりします。
その時代のことは、今思えば、何でそうなったんだろうとか、もっとうまくやれたなあ、とか思うことばかりですが、そんな時代を一緒に過ごした人でありました。ということを付け加えて終わりにします。73才でした。
昨日は涼しかったのに、今日はムシ暑い一日でした。墓参りに行ってきました。東京は7月がお盆ですからね。お墓の掃除をしていてクラクラしましたよ。そう、それより17日から暑くなるみたいですねえ。apbankfes10。三日間の炎天下。年々心配度が増してます。
もちろん楽しみは一杯あるんですよ。音楽と希望。でも、体力的に今年が最後かなあという緊張感もあります。期間中禁酒ね。体力温存です。というわけで、小室さんだ。「雨が空から降れば」を。雨の日はしょうがないです、と言えない豪雨被害を受けている地域の方、お見舞い申し上げます。じゃ、おやすみなさい。