すごかったです。息をのむような。一曲目からそういう感じでした。え、こんなに声が出てるんだという驚き。昨日もやってるんだよな、と改めて確認したくなるような声量。アップになった表情もどこか鬼気迫るようなオーラに包まれている。
それが最後まで続きましたからね。約2時間半。ほぼ歌いっ放し。あのマイクスタンド投げやしなやかな身のこなし。ステージを小走りに動くステップも加わっている。どれだけ鍛えてるんだろうと思わされる、驚異的なパフォーマンスでした。
ロックンロール!というシャウトがこんなに似合っている人もいませんね。この声はどこから出てるんだろうと思ってしまう。声帯とか喉、という感じがしない。腹の底からというのでもない。全身が声になってる。存在が歌になってる。
それは若い頃からそうでしたけど、それがもっと自然になってる。無理しないでそうなってる。歌っている本人が気持ちよさそうに納得しながら歌ってる。噛みしめるようで激しい。こういうのを「魂の」というんだろうと思いました。
何度も書きますけど、76歳ですよ。普通の人の尺度では考えられない。以前、夏の暑さに耐えるためにサウナのような状態でトレーニングするという話を聞いたことがありましたけど、スポーツジムに通うという次元には思えませんでした。
気持ち良さそうなのに狂おしくて切ない。悲壮感もあるけど破壊力もある。どんな静かなバラードでも「激情感」が漂っている。そういうシンガーの最高峰はエルビスプレスリーなのですが、共通するものを感じるんです。
初めてキャロルを見たのは72年12月16日、赤坂のデイスコ、MUGEN。その時のことは文化放送「セイ!ヤング」の機関紙「ザ・ヴィレッジ」に書いてます。53年前か。排気ガスと煤煙の京浜工業地帯から出現した革ジャンリーゼントの若者たち。
昨日は頃のやりませんでしたけど「ウイスキー・コーク」の中の”俺たち、若かったよな”という言葉そのもの。でも53年ですからね。そんな感慨に浸るどころじゃない。”老い”に向かう頃なのにそれを感じさせなかった。
”老い”や”衰え”が”味”になってる。そういう重み、みたいなものが解放させて歓びになる。ロックンロールとはこういう音楽なんだと身をもって証明してるようなステージ。ただ拍手するしかない。僕も頑張ろうとか、そんな次元じゃなかったです。
でも、76歳の矢沢さんを79歳で見ることが出来た。現役なんだと思えました。というわけで曲です。初期の頃の空きだった曲も聞けました。「世話がやけるぜ」と「古いラブレター」。おまけの2曲(笑)。明日と明後日は浜田さんの広島。楽しみです。じゃ、お休みなさい。
どんな喫茶店か。そういう実際のお店があるわけではなくて、FM COCOLO「J-POP LEGEND CAFE」の11月の特集です。レーザーターンテーブルを使ったライブ盤特集。先日の3日に一週目が放送されました。
いつもならその前に予告も兼ねてここに書くのですが、そういう状況じゃなくなってしまって今になりました。11月29日、大阪の十三にある老舗キャバレー「グランドサロン十三」で行われる「昭和100年ライブ盤祭り」に合わせた企画です。
そういう聴き語りイベントを大阪でやるのも初めて。キャバレーという場所はもっと初めて。果たしてお客さんが来てくれるのだろうか。番組で事前のプロモーションを兼ねようということ始めたのですが、何と早々と売り切れたそうです。
一緒にやるのが大阪を代表するDJマーキーさんで、ほとんどが彼の知名度のおかげでしょうが、ありがたいことです。という嬉しい報せとは別に番組は番組として他では出来ない内容にしようと。先日、二週目と三週目の収録を終えました。
「昭和100年」というタイミングですからね。こういう企画じゃないと流せない曲も取り上げようとかなり面白がってます。全部ライブ盤です。しかも、放送する曲をレーザーターテーブルを使った音源にしてるんです。
アナログ盤をレーザーで再生して、それをCDにして流す。やっぱり音が違う。十二分にアナログ盤の音がする。針を使わないで再生するわけですから、針の性能に左右されない。アナログ盤本来の抜けのいい厚みのある音がします。
ベースの音やドラムの音、ボーカルの声のこまやかな表情や息づかい、客席の拍手とか、ライブ盤ならではの空気みたいなものが伝わればいいなと思います。一週目は「歌姫」という括り、二週目が「個性派女性」、三週目が「男性編」。
ほんとに色んなライブ盤があります。ただ、アナログ盤ですから時代が限られてる。60年代から80年代の終わりくらい。歌謡曲からロックまで様々。単にヒット曲を集めただけじゃない「昭和のライブ盤特集」になってると思います。
一週目、山口百恵さん、ザ・ピーナッツ、ちあきなおみさん、ピンクレデイ、キャンデイース、都はるみさん、美空ひばりさん、二週目、石川セリさん、いしだあゆみさん、奥村チヨさん、五輪真弓さん、森山良子さん、淡川マキさん、藤圭子さん、加藤登紀子さん。
三週目は、フォークル、ダウンタウンブギウギバンド、桑名正博、上田正樹、石原裕次郎、佐野元春、尾崎豊とか。関東と関西、世代と青春、みたいなテーマの選曲。四週目は「武道館ライブ特集」、これはまだ選曲してません。
最近、ライブの本数が減ってますが、やっぱりライブ盤は楽しい。そう思わせてくれるのもレーザーが再生してくれる音あってこそ。といいつつ明日は、この前番組に出てくれたクレージーケンバンドのBUNTAI。明後日は矢沢さんの東京ドームです。
来週は、浜田さんの広島にも行けそうです。というわけで、曲ですね。佐野元春さんの「アンジェリーナ」。88年の横浜スタジアムのライブバージョン。あの日のいきなりの一曲目、衝撃的にかっこ良かったです。先週の佐野さんの45周年渋公も良かったですよ。その話はまた。じゃ、お休みなさい。
という挨拶をどこかでお聞きになったという方はいらっしゃるでしょうね。と言っても僕と同じくらいの年代、かなりの年配、ジジイ(笑)。いつまでかな、今調べますね。1958年から77年だそうです。「ロッテ歌のアルバム」という番組がありました。
司会は玉置宏さん。冒頭の挨拶がこれだったんです。あの人、何者だったんだろう。って今頃調べてる(笑)。明治大学を出て文化放送のアナウンサーとして入社した。二年後に三橋美智也の勧めで退職して司会者になった、とWikiにありました。
当時は歌い手にこびへつらってる芸能司会者というイメージがあって簡単に言ってしまえば軽く見ていたんですが、最近、折に触れて頭に浮かんだりするんです。あれは見事な芸だったのではないか。司会の形を極めていたのではないか、とか。
何を書いてるんだ(笑)。ここを書くのは一週間ぶりになるのか、と思ったらこんなことを書きだしてました。大阪から帰ったちょうど一週間ですもんね。お天気がくるくる変わったこともあったり、またしても喉と鼻をやられました。
熱はないけど、咳がひどくなってきたので、医者に行って調べたらコロナでもインフルでもなくて、まあほっとしたわけです。ただ、普段、薬を飲まないんで効きすぎてしまう。だるくて起きられなかったり、しんどかったです。
幸い、番組の収録はなかったので話す必要がなかったものの原稿はそれなりにありましたからね。桑田さんの武道館についてのファンクラブ会報誌のレポートとか共同通信の連載「90年代ノート」とかをどうにかこうにか。
夜は寝ることしか考えられない。とかやっているうちに、玉置さんになってしまいました。明日から動きはじめないとという感じです。明日は、NACK5「J-POP TALKIN’」のインタビュー。グソクムズというバンドです。
面白い名前でしょう。ダイオウグソクムシという深海虫から取ったそうです。吉祥寺を拠点に活動しているバンド。乱暴に言ってしまうと、はっぴいえんどや武蔵野タンポポ団、KIRINJI、新しいところではnever young beachもあるかな。
メジャーデビュー、二年目。今の流行り風じゃないけど心地いい。街の風に吹かれてる。昨日、吉祥寺のHMVでインストアライブをやっていたので見に行ってきました。どんなインタビューになるのでしょうか。
というわけで、早く薬を離れたい。曲ですね。明後日発売のグソクムズの新作「SCRATCH」から「いっつも」という曲を。じゃ、お休みなさい。
大阪の繁華街十三、梅田から阪急の特急で一駅、でも、雰囲気はかなり違います。今は昼間ですからそんなに目立ちませんけど、夜はネオンがすごいでしょうね。それも立派なネオンというよりけばけばしかったり刺激的だったりするんでしょう。
昨日、大阪城ホールで槇原敬之さんの35周年ツアーのアリーナを見て、終わってからFM COCOLOの人達と食事をして、さっき西宮北口の接骨院に行って、その途中です。11月9日に「昭和100年・歌謡祭り」を行うキャバレーを見に来ました。
昼間は営業してないので外見だけ。場所を確かめるという感じ。駅前はこれぞ歓楽街という感じでしたけど、お店の周りはマンションばっかりでした。きっと再開発でそうなったんでしょうね。以前は札幌のススキノみたいだったんでしょう。
先週、大変でした。あんなに寒くなって身体がついて行けるわけがない。アレルギー鼻炎だかか風邪だか分からない鼻水と喉の炎症で収録もほんとに綱渡り。医者でもらった薬があまりに強そうで葛根湯にしてみたりしてもやっぱり合わない。
普段、薬を飲まないんで過剰に反応しちゃうんでしょう、それでもどうにかこうにかやり過ごしての大阪になりました。槇原さんは35周年。デビュー直後の日本青年館から見てるのですが、大阪で見たことがない。良かったですよ。
35周年のツアーはすでに二回やってるのかな。ですからヒット曲や代表曲というよりいくつかの転機を物語る曲を織り込んで辿っている。ストリングスが8人かな。ホーンセクションが3人とバンド。アレンジも厚みがあって素晴らしかったです。
で、何と言っても大阪。地元ノリ。アットホーム感満載。色んなことがあったといういくつかの場面も温かく見てくれていたことがわかる。コロナがありましたからね。最新アルバムの曲は感動的でした。
と言ってもまだ横浜があるので曲には触れません。十三の空気も味わったし、これから東京。桑田さんの武道館コンサートの原稿が明日までなんです。そうだ、十三には喫茶店が少ないんです。唯一レトロだ雰囲気で惹かれた「外国船」は営業終了でした。
今、いるのはコメダ。僕はスタバ派ですからあまり来ないんですけど、スタバが見つかりませんでした。そういう街です、ってどういう街だ(笑)。曲ですね。ハウンドドッグのドラムのブッチャーの地元が十三だった気がします。
ハウンドドッグ。なつかしい。”嵐の海に船を出せ~”、「ラストヒーロー」を。じゃ、おやすみなさい、じゃないか(笑)。帰ります。
何とか終えました。先週スタジオに行けなかった分は放送で聴きました。久勝さんは西城さんより10歳下、と言ってましたがけど業界でのキャリアは申し分ありませんから、何も心配してなかったんですが、さすがでしたね。
基本的に文章を書く人は話もうまいと思ってるんです。自分の考えを言葉にして人に伝えるという意味では活字も放送も変わりません。ただ滑舌が良くないとか声が聴きとりにくいありますけど、それは字がきれいとか読みにくいみたいなものかは乱暴か(笑)。
そういう基本があれば後は、その人の気持ちですから。その音楽や歌い手に対しての愛情、共感、思い入れの度合いですね。久勝さんは音楽に対しての気持ちが素直に表に出る人ですから、いい放送になるとは思ってました。
ここまで頼ってしまうと恐縮するしかありませんが。今月の彼の選曲はきっと今まで西城さんについて書かれたり語られたりしたことの中でも前例がないのではないでしょうか。あんなに洋楽に精通していてカバーの多い人だとは思いませんでした。
西城さんのファンは今もたくさんいらっしゃいます。その熱心さもさまざまだと思います。テレビで見たりしていたカッコ良さとは違う「音楽人・西城秀樹」の片りんが伝わればいいなと思います。久勝さんはそういう語り部の中でも貴重な存在でしょう。
彼の歌のうまさ、表現力、ロックシンガーの全体像は映像とは違う発見があるのはライブ盤だと思います。そういう機会があればいいのになと改めて思いました。そういう場はファンの方の声あってこそ実現するのかもしれません。
ともあれ楽しい4週間でした。久勝さん、ありがとうございました。今週は、共同通信の「90年代ノート」の原稿と土曜日に完パケがあるNACK5「J-POP TALKIN’」の大貫妙子さんインタビューの原稿です。
大貫さんのインタビュー、先週だったのですが、その話はまた。というわけで、これはネタバレ、4週間の最後の曲「YOUNG MAN(YMCA)」を、久勝さんの解説つきであの流れで聴くととっても新鮮でした。じゃ、お休みなさい。