と言ってもお二人に会うとかインタビューするというわけでもないです。FM COCOLO「J-POP LEGEND CAFE」の3月の特集「大滝詠一」の後半二週の収録。ゲストは評論家の湯浅学さん。大滝さんのお弟子さんという感じかな。
前半二週は3月21日に出るアルバム「EACH TIME 40th Anniversary Editon」の全曲紹介。やはり評論家の能地祐子さんに来て頂きました。大滝さん最後のオリジナルアルバム。これまでに曲順が何度も変わったという数奇なアルバムですね。
大滝さんはマニアックな研究家が一番多いアーテイストかもしれません。能地さんの女性的な情緒的な感性に基づいた全曲解説は一味違ったんじゃないでしょうか。後半の二週は様相がかなり変わります。これぞ大滝詠一というコアな特集。
去年、大滝詠一「NOVELTY SONG BOOK」「NIAGARA ONDO BOOK」という二枚組のアルバムが出てるんです。一週ずつのその特集。全部で30曲あるんで全曲とはいきませんけど、湯浅さんに選んで頂きました。
彼はアルバムの解説も書いてます。2014年に出た雑誌「レコードコレクターズ」の「大滝詠一 Talkin'g about NIAGARA」の萩原健太さんと彼の二人でインタビューしてました。NIAGARA関係はほとんど彼でした。
NIAGARAというのは大滝さんが発足したプライベートレーベル。彼は作詞作曲、編曲、ミキシングだけじゃなくスタジオも自分で作って原盤制作や管理も全部自分でやっていたという前例のない完全主義者なんですね。
はっぴえいんど解散後、ソロになって81年に「ロングバケーション」が出るまではそこでの活動がほぼ全て。アルバムを12枚かな。その一連の作品が「NOVELTY SONG」。つまり、リズムを主体にした遊び心に富んだ音楽。
メロデイーや言葉の意味よりともかく遊ぶ。クレージーキャッツを更に音楽的に突き詰めたようなバラエテイ。でも、全く売れなかったんです。それでも作り続けた音源が膨大に残ってる。そういう作品を集めたアルバムですね。
湯浅さんはお前は昔から存じ上げていてお会いするのは初めて。大滝さんのアシスタントをしていたという関係。幻の名盤解放同盟というマニアックの権化のような集団も組んでました。色々教えてもらいます。
で、夜がみゆきさんの国際フォーラム。会うと言えば会うか。顔は合わせませんけど、客席からは見るわけですからね。5月にライブが終わってからどこかで書くことになるでしょうし。心構えをね。と一気に書いたら頭がガンガン(笑)。寝ます。
曲ですね。大滝さんがクレージーキャッツとやっている奇想天外な曲を。「新五万節」。”飲んだビールが5万本”というあれ。元の歌詞でやってました。じゃ、お休みなさい。
ずいぶん空いてしまいました。体調を崩していたとか調子が悪かったというんじゃないです。間に「80年代音楽ノート」の初取材を受けたり、ソニーの新人コンベンションがあったりはしましたけど、ほぼ一週間、原稿を書いてました。
シンコーミュージックの雑誌「B・PASS ALL AREA」に載せる浜田さんのツアー「ON THE ROAD2023・Welcome back to The Rock Show”Youth in The JUKEBOX”」のレポート原稿。さっき送稿しました。
もう何度も書いている雑誌なんで勝手は分かってるんですが、今回は表紙巻頭ではななくて本文中の読み物。でも、文字量は一昨年から去年にかけてのホールツアーと同じくらい。かなり読みでがあると思います。
文字量は変わらないのにかかる時間はどんどん長くなる。これはもう一重に老いです、っておいおい、ですけど(笑)。言葉が出てこない。さっき見た資料を何度も見直さないと頭に入らない。自分の反応の鈍さにいらいらする。
言ってもしょうがないんですけどね。でも、勢いで書けない分、原稿が丁寧になってる気もするんですよ。一言に意味を感じながら書いたりしてる。意味を「持たせ」ようとしてると言った方がいいかもしれません。
自分で言ってもしょうがないですけど(笑)。どんな風にお読み頂けるか。今までのレポートと違う点も多々あると思いますよ。それもこれもあのツアーが考えれば考えるほど色んなストーリーが織り込まれてることに気づかされるからなんです。
オープニングからエンデイングまで繋がっている。なぜこの曲だったのかという必然性が見えて来る。一見、思いもかけなかった意外性もある。そこにもちゃんと理由がある。こんなに作りこまれたステージは初めてじゃないかと思えました。
ツアードキュメントではなく全くのライブレポート。文字数約18000字。400字原稿用紙にして45枚かな。かなりの深読み原稿。こういう聴き方もあるんだ、と思って頂けると嬉しいです。発売は4月の連休前だと思います。
ソニーの新人コンベンションもBEGINの島袋優さんの初ソロライブも面白かったですが、その話はまたいつか。といううわけで曲ですね。浜田さんのツアーの最後の曲「君が人生の時」を。じゃ、お休みなさい。
発売日、決まりました。3月26日です。共同通信から全国地方紙に配信されていた連載「80年代ノート」の書籍化。より分かりやすくということで「80年代音楽ノート」になりました。確かに書いてあるのは音楽のことだけですからね。
発売元はホーム社という集英社のグループ会社なんですが、集英社のホームページに載ってます。連載の書籍化ですし100回のテーマもそのままなのですが、新聞記事は文字数が多くないんで、かなり書き加えてます。
新聞と違うのはSpotifyと連動していることかな。僕は思いつかなかったんですが、編集の人が話をしてくれれて、それぞれの回で取り上げている曲をSpotifyで聞けるようになってるんですよ。「聴きながら読むか、読みながら聴くか」という形ですね。
お値段は1870円。税込みです。今、情報にお金を払うという習慣がなくなってるんで高いと思わるのかもしれませんが、そこはもう沢山の人に読まれるといいなとしか言えないです。最近目につく80年代ものとは違う読み物にはなってると思います。
集英社のホームページはこちらです。
80年代音楽ノート/田家 秀樹 | 集英社 ― SHUEISHA ―
予約、宜しくお願いします!
というわけで曲ですね。一回目の曲を。甲斐バンド「100万ドルナイト」。79年大晦日の話から始まってます。じゃ、お休みなさい。
FM COCOLO「J-POP LEGEND CAFE」の3月の特集ですね。3月21日にアルバム「EACH TIME 40th Anniversary Editon」が発売になる大滝詠一さん。今日、前半二週の収録が終わりました。
もう何度も書いてますけど、「J-POP LEGEND CAFE」は、去年の4月にそれまで続いていた「J-POP LEGEND FORUM」のタイトルを変えてリニューアルしたものなんですね。前の番組が始まったのが2014年の4月。特集が大滝さんでした。
彼がなくなったのが2013年の12月30日。その前に清志郎さんとか加藤和彦さんにこともありました。僕らと同じ時代を過ごしてきた人たちがいきなりいなくなる。そういう人たちをちゃんと語れる番組をやらなければ、ということで始まったんです。
アーテイスト本人が登場しないのに一人のアーテイストを一か月も特集する1時間番組はありえなかったですからね。でも、なくなった方なわけで本人は不在でやらざるをえない。それでもやりましょう、と言ってくれたのがFM COCOLOでした。
そこから始まって今年で10周年。アルバム「EACH TIME」は40周年。区切りの意味もあって改めて大滝さんの特集を、という一か月です。今日、収録したのは前半の二週。「EACH TIME 40th Anniversary Editon」の全曲紹介。
ゲストは評論家の能地祐子さん。なぜ彼女にお願いしたかというと、「EACH TIME」は2014年に「30周年盤」が出ました。その時に作られた「EACH TIMES」というプロモーションの「新聞」に彼女が書いた文章が素晴らしかったからですね。
「EACH TIME」は、1981年の大ヒットアルバム「LONG VACATION」の後のアルバムなんですが、「ロンバケ」がアメリカンポップスへの愛着が詰めこまれたリゾートアルバムだったのと全く様相が違いました。
当時は、繊細で淡泊な印象があって、どこか地味にも思えた。でも、彼女が書いていた文章はそういう印象を覆してくれた。彼女の言葉を使えばいかに「数奇な運命」のとともにあったか、「劇的な円環」の中にあったかを気づかせてくれたんです。
例えば、あのアルバムはこれまで3回かな、曲順の違うものが発売されている。曲順が違うことで全く違うアルバムに聞こえる。しかも40周年盤は、そのどれとも同じじゃなかった。順番だけじゃなく数も増えたり減ったり長さも変わっている。
彼女は「水のようなアルバム」と例えてたんです。大滝さんのアルバムをそういう情緒的な表現で例えている文章にあまりお目にかかったことがなかったのと、その表現があのアルバムを見事に言い当てている気がしたんですね。
いうまでもなく彼女のご主人は評論家の萩原健太さん。大滝さんが最も信頼していた評論家の一人でしょう。でも、「EACH TIME」については能地さんの話をお聞きしたかった。そういう番組になりました。
今回の40周年盤には未発表曲が入ってたりして、今までと全く違って聞こえる。新しい聴き方が出来る。その入り口になると思います。後半の二週はまだこれからですが、萩原さんと並んで近しかった評論家、湯浅学さんがゲストです。
アルバムは去年発売の「Novelty Song Book」「NIAGARA ONDO BOOK」。僕も勉強します。というわけで、アルバム「EACH TIME」から「木の葉のスケッチ」。切ない曲だなあと改めて思いました。じゃ、お休みなさい。
一昨日でした。MONGLO800の渋谷公会堂。デビュー25周年のホールツアーですね。今までイベントとかフェスのようなオムニバスコンサートでは何度も見てるんですが、ワンマンは初めてだったんです。ほんとに今頃ですけど。
一重にこちらの怠慢なんです。こまめにスケジュールをチェックしてそれなりのお願いをすればいいわけですが、ついつい、という感じで今になってしまいました。ま、そんな言い訳をしてどうなる、ですけど、良かったです。
ホーンも入って思ったより厚みのあるバンドサウンドとダンサーの「粒さん」。陽気なサービス精神と人柄がにじみ出てる。大らかで素朴で温かい。8ビートもレゲエともチャーューシーが一体になって盛り上がるお祭り感。楽しかったです。
あれは意図的とか演出でとかじゃないんでしょうね。自然にそうなってゆく。沖縄というのがそういう島なんでしょう。生活と音楽が一体になっている。「南の風」が吹いている。コンサートの特別感と日常感が一緒になっている。
そういうライブの大らかさとキヨサクさんの声が合ってる。あの大きさというのかな。古いファンはご存じでしょうけど、つのだひろさんのような黒っぽい太さがありつつ湿っぽくない。乾いているけど艶もある。身体も大きい(笑)。
書きながら思ったんですが、そうか、つのださんというより西岡恭蔵さんかな。あの人の「サーカスはピエロに」みたいな乾いた哀愁ですね。ぼうようとしていて繊細。ビート系のバンドにはああいうヴォーカリストはいないでしょう。
彼らを初めて意識したのは御多分に漏れず2001年のアルバム「MESSAGE」ですね。ジャケットに沖縄の生活ぶりを記録した写真が使われていたり「沖縄の日常」があった。BEGINが今みたいに「島唄」を広める前ですからね。
70年代の「紫」が象徴する「基地のロック」とも学生運動の流れの中にあるように思えた「沖縄フォーク村」とも違う。喜納昌吉さんのチャンプルーズのようなミクスチャーでもないバンドサウンド。新鮮でした。
と言っても今頃ですからね、大きな声では言えません。それとは別のソングライターのキヨサクさんに惹かれてました。JUJUの「ブーケ」が彼の詩曲だと知った時は驚きました。その後の「アンテイーク」もそうですね。
JUJUだけではなくJ-POPのラブバラードの中の名曲です。もちろんバンドでそういう曲はやりませんけど、「小さな恋の歌」のシンプルさと人懐っこい切なさもそういう懐の深さあってこそじゃないでしょうか。あの曲の大合唱は泣けます。
というほどよく知ってるわけじゃないんでこの辺でやめますが(笑)。この間書いた島袋優さんのアルバムにも「シージャーGOGO」という曲を提供してました。こちらはMONGOL800そのものでしたけどね。沖縄の風。気持ちいいです。
というわけで、曲ですね。MONGOL800「OKINAWA CALLINNG」を。じゃ、お休みなさい。