昨日のことですが。もうその日に起きたことをその日のうちに書くのは体力的に無理みたい。特に昨日みたいな日はさすがに家に着く時は足取りも重くなってました。今年の1月に駅前に引っ越して往復の時間が短縮されて身軽にはなってるんですけど、そういう感じじゃなかったです。
昨日、すごかったですよ、って自分で言うのも何ですけど(笑)。午前中から大宮のNACK5で「J-POP TALKIN’」のCHABOさんのインタビューの完パケをやって、その足で有楽町でクミコさんを見て、そのまま新宿での真心ブラザーズのアルバムツアー。二週分の収録とライブ二本の詰め込みサタデーでした。
お気づきの方もいらっしゃるでしょうけど、今年は見に行ったライブの本数が激減してるんです。色々思うとこももあったりして、インタビューした人とか原稿を書く人、お付き合いのあった人を中心にしてます。気になった人、見ておきたい人を片っ端から見に行くみたいなことはもう無理かなという感じですね。
音楽シーンも変わりましたし、僕らの出来ることも少なくなってる。もっと自分にしか出来ないことややっておかないといけないこともあるでしょうから、そっちに時間を割きたいなとか。それでもかなりふーふー言ってるからブログの更新も滞ってるわけですが、っていうようなことはいいか。
クミコさんも真心も「J-POP TALKIN’」に来てくれました。昨日は四日間の連続コンサートの四日目。ゲストが松本隆さんで、彼が書いた曲を歌うという企画。松本さんは3年前になるのか、「風街とデラシネ・作詞家松本隆の50年」という本で色々話をさせて頂きましたし彼がプロデユースしたクミコさんのアルバムは傑作でした。
「AURA」と「デラシネ」という2枚のアルバムですね。大人のラブソングの傑作。クミコさんにしか歌えないアルバムでした。場所は有楽町駅前のアイマショウ。そんなに大きくなくて座席がある。腰が痛くなる心配がない(笑)。で、終わってそのまま新宿歌舞伎町。シアターミラノZA。初めて行きました。
新宿歌舞伎町。昔のミラノ座の後。すごい人出でしたよ。もう歩くのが怖くなる。人込みにたじろいでしまう。年齢を感じました、って当たり前ですけど(笑)。ライブは良かったですよ。バンドはドラムとベースと間心の二人のギターだけ。ドラムはコレクターズの古市コータローさんの息子さん。
イキがいいというか、切れがあるというか、外連味がなくて確か。真心の。というよりYO-KINGさんの思い切りのいい歌いっぷりが生き生きしてました。どっか拓郎さんより拓郎さんっぽいというと変ですけど(笑)。拓郎さんのようなどこかアイドルっぽいい華やかな色気はないですけどね。
それにしても週末の歌舞伎町。すごかったです。食事をしようにも一人でお店に入れない。結局、大昔からあるレストラン「アカシア」でロールキャベツを食べてました。駅前はかつての面影はありませんが、あのお店だけはそれをとどめてます。二階はジャズ喫茶だったんだよなあ、と思い出してました。
というような週末。今日はFM COCOLO「J-POP LEGEND CAFE」の原稿。2025年1月の特集はCHABOさんです。この間、「J-POP TALKIN’」でインタビューしましたけど、今度は4週分ですからね。その話はまた。というわけで曲です。真心ブラザースの「空に舞い上がれ」を。
今、スタバで書いてます。今日、一日中スタバでした。二軒で7時間かな。カミさんに「仕事場なんかいらないじゃない」と言われてますが、そういうわけにもいかない(笑)。こういう時もあるというだけ。じゃ、お休みなさい。
気になった人、この人は見ておきたいとか、
FM COCOLO「J-POP LEGEND CAFE」の12月後半二週の特集。12月18日に発売になる森山良子さんのアルバム「Life Is Beautiful」のご紹介。良子さんご本人に全曲を語っていただきます。アルバムは全9曲。放送は二週なので曲はもう少し多く流れるので一週目、12月23日は彼女のクリスマスソングもお楽しみ頂きます。
で、新作アルバム「Life Is Beautiful」はジャズアルバム。良子さんはお父様が戦前から活躍する日本を代表するジャズトランぺッター、森山久さん、お母様はジャズシンガーの浅田陽子さん、生まれた時から周りにはジャズがあったという育ち方ですね。
でも、意外なことにこれまでジャズアルバムは一枚しかない。親しんできただけに中途半端なものは作りたくないということだったのかもしれません。「THE JAZZSINGER」というのがそのアルバムですが、ジャズのスタンダードのカバーなんですね。いつかオリジナルのジャズアルバムを作るのが夢だったと言ってました。
それを叶えたのが大江千里さん。2008年から拠点をニューヨークに移してジャズを学んで来て2012年にはピアニストとしてデビューもしてます。彼は「良子さんに自分のオリジナルのジャズを歌ってもらうのが夢だった」。一年半前にラジオで一緒になった時に千里さんが一念発起で持ちかけたという始まり。
レコーデイングは千里さんが住むニューヨーク。でも、そんなお祝いめいたものでもお遊びめいたものでもないんです。驚いたのは良子さんが千里さんの勧めに応じて「ジャズ留学」をしたということ。何と4回。それぞれ10日程度向こうに行ってボイスレッスンから始めたということでした。
千里さんは、ジャズの学校に行ってましたからね。そこで教えてる先生やプロのシンガーについて歌い方を一から直したんだそうです。良子さんはこれまで自分が親しんで歌ってきたジャズは「古い」と言われてどうしたらいいか分からなくなったという話もしてました。
作詞作曲は千里さん。演奏も千里さんのトリオ。もちろん全曲が一発録り。今のジャズのビートに良子さんの歌が生まれ変わったようです。彼女はデビュー57周年。年齢も僕と変わらない。キャリアや実績にこだわらず一からジャズを学んだ。一年半に4回。単身ニューヨークへ行って勉強する。そこまでやるのか、という本気度に感動しました。
12月の前半は小室さんのアルバムと谷川俊太郎さんを偲んでの3週。小室さんは80歳になって作った新作ですからね。常に今であろうとする。大ベテランと呼ばれる二人の弛まぬ努力や意欲。年を取るということへの覚悟みたいなものを見た気がしました。良子さんのオンエアは23日と30日です。
元気な大ベテラン、刺激になります。ということで良子さんの曲、アルバムのタイトル曲「Life Is Beautiful」を。じゃ、お休みなさい。
FM COCOLO「J-POP LEGEND CAFE」の12月前半三週分、一度に録りました。ゲストは小室さん。一週目と二週目は11月27日、明日発売になるアルバム「lovesong」の全曲紹介。三種目は谷川俊太郎さんを偲んで小室さんが歌っている谷川さんの詩の曲を聴くという三週間です。
普段、二週分づつ録ってるんですが、それでもかなりしんどい。こう言っては何ですが、小室さんは僕よりも三つ上。デイレクターが二回に分けましょうかと打診したところ大丈夫、ゆっくりやりましょうという返事が戻ってきました。ほとんど休憩時間もなくまとめて収録しました。
明日発売のアルバム「lovesong」は、2017年のアルバム「プロテストソング2」以来7年ぶり。あのアルバムも全曲が谷川さんでした。今回のアルバム「lovesong」には谷川さんの詩のものはなくて、これまでに親交があったり関係の深い詩人や劇作家の言葉が歌われてます。
小室さんが、他のどんなアーテイストとも違うのは、現代詩の詩人の詩に曲をつけて歌ってきたことですね。「歌の言葉」という制約の中で書かれる「歌詞」とは違う自由で深く含蓄のある言葉の世界が「歌」になってます。タイトルは「lovesong」ですが、この年齢だからこその「love」が綴られてます。
「love」と「恋愛」と「愛」はイコールじゃないですからね。小室さん、先だって11月23日に81歳になったばかり。作った時は80才。親しい人や愛する人をなくしたことで知る「愛おしさ」みたいなもの。しみじみとしてずっしりとして温かい。「虚しさ」も「哀しさ」も「切なさ」も受け止めた強さもある。
どんな人たちの詩かというと、別役実さん、永六輔さん、松岡正剛さん、唐十郎さん、及川恒平さん、佐々木幹郎さん、和田夏十さん、黒田三郎さん、茨木のり子さん、ご自分で詞も曲も書いたものもあります。小室さんの歌もこれまでのどのアルバムとも違う覚悟のような緊張感があります。
自身のキャリアを集約したようでありなくなった人たちに向けた鎮魂歌のようでもある。全曲を解説して頂いてます。三週目もですね。全曲が谷川さんの詩だった4枚のアルバムから彼が選んだ曲。公の場で谷川さんのことを語るのは初めてだそうです。そうだろうな、と思いつつぶしつけな質問もぶつけてしまいました。
でも、先週と今週は思ってもなかった密度の週になってしまいました。土曜日はNACK5の「GLIM SPANKY」の完パケと六本木EXシアターでのCHABOさんの55周年ライブ、日曜日は下北沢「3313アナログ天国」で行われたレーザーターンテーブルを使った聴き語りイベントの司会と立て続けでした。
レーザーターンテーブルを使った聴き語りイベント。元東芝EMIプロデユーサー、ファンハウスの社長、新田和長さんとベルウッド設立プロデユーサー、三浦光紀さん。二人が選んだ15曲について語るイベント。まるでレコーデイングスタジオで聴いているようでした。という綱渡り。何とか乗り切りました。
お天気について行くのがやっとですし、息も絶え絶え(笑)。でも、小室さん、お元気でしたからね。励みにしようと思います。ということで、曲です。小室さん、新曲です。「けれど 別れには」。別れを経験した「残された人」の歌です。じゃ、お休みなさい。
一人は谷川俊太郎さん。今日知りました。92歳。今年、どこかの雑誌でお見かけしてお元気そうだなあと思ってたのですが、やっぱりそういうお年なんでしょうねえ。妙な言い方なんですが、なくなると思えない方に感じてました。
デビュー作「20億光年の孤独」は1952年。浜田さんの生まれた年。そこからずっと書き続けてこられた詩人。今のシンガーソングライターで谷川さんに影響を受けてない人はいないでしょう。みゆきさんの卒論が「谷川俊太郎論」だったのは有名です。
みゆきさんの本「ミラクルアイランド」の谷川さんとの対談も広く知られてます。あんなに分かりやすくて叙情的で繊細で瑞々しい、そして、しなやかで反骨。正しいこと、曲がったこと、理にかなわないことに竿をさし続けてきた人。
理数的で哲学的でありながら徹底して平易。入口も出口も開けっぱなしに思えるくらいに風通しがよくて、でも揺るぎない信念がある、というほどは読んでないので思いついた言葉を並べてるだけですが。僕が好きだったのは「うつむく青年」でした。
谷川さんと言えば小室等さん。70年代にフォーライフから出た「プロテストソング」「父の歌」「いま 生きているということ」の三部作は全作詞が谷川さん。名作でし2017年の「プロテストソング2」も谷川さんでした。
小室さんももうすぐアルバムが出るんですね。FM COCOLO「J-POP LEGEND CAFE」の12月前半は小室さんの特集なのですが、谷川さんの話も出てくると思います。小室さんは息子さんともアルバムを作ってますからね。
もう90代のもうひと方。昨日、訃報を知りました。音楽文化研究家の長田暁二さん。94歳でした。ご存じない方も多いでしょうね。キングレコードのデイレクターだった方。彼の部下がベルウッド・レコードを作った三浦光紀さんでした。
三浦さんが初めてフォークソングに出会ったのが小室さんのギター教則本を作った時。そこからベルウッドに繋がるわけですが、老舗中の老舗、キングレコードでそういう新しい音楽をバックアップしていたのが長田暁二さんでした。
僕がお名前を知ったのはもっと後ですね。ともかく色んな本をお書きになってたんです。童謡についての本をあんなに沢山書かれた方は他にいないでしょう。そこから戦前戦中の歌謡曲に至るまで膨大。ご自分で「もうすぐ500冊」と言われてました。
この4,5年かな。年に一回、顔を合わせる集まりがあって、去年の今頃もお会いしたのですが、「まだまだ書くよ」と言われてました。足元にも及ばないけど、頑張らないとなあと思わされた方でした。
今週の日曜日、下北沢の「アナログ天国」というところで元ファンハウスの新田和長さんとベルウッドの三浦さんとの対談があって、その司会をするのですが、そこでも長田さんのお名前が出てくると思います。
長田さんのお別れ会の発起人に小室さんのお前もありました。色んなことが繋がってるような気がします。谷川さんの詩で小室さんが曲。もっと知られるようになればなと思います。お二人に合掌です。小室さんの「いま いきているということ」を。じゃ、お休みなさい。
FM COCOLO「J-POP LEGEND CAFE」、11月は秋の話題作のご紹介。毎週一作ずつ取り上げてます。一週目がREBBECAの新作。二週目が竹内まりやさんの新作、順番としてはフライングしてしまいましたが四週目が拓郎さんの新作ですね。
で、三週目がTHE TIMERES。89年に突如として出現した4人組覆面バンド。アルバムは2枚を残して姿を消しました。「35周年祝賀記念品」という3枚組のアルバムが明日出ます。ゲストは当時東芝EMIの宣伝担当、高橋ROCK ME BABY康宏さん。
当時はメンバーの名前も仮名でしたけど、ボーカルとギターのゼリーが清志郎さんなのはもはや周知のこと。88年にRCサクセションの「COVERES」が発売中止になった翌年。「COVERES」は洋楽のカバーでしたけどTIMERESは日本語のオリジナルでした。
総理大臣に代表される政治家や世の中の流れ、選挙や戦争、原子力や物価高、何だこれはと思われる身の回りの出来事を片っ端から歌にしてゆく。痛快この上ないプロテストロック。電気が使えなくなった時の為にという生楽器のロックンロール。
3枚組のアルバムですから曲数は全37曲。その中から高橋さんが選んだ9曲を中心にTHE TIMERESとは何だったのか、今なぜ語られるべきなのかを話していきます。多分、今までラジオでかかったことのない曲も流れます。
もし、他の放送局だったら流せないだろうな、という曲もあります。幸い、FM COCOLOはCDになっている音源であればそういう縛りはないというありがたいというか、放送局はこうあるべきだという姿勢ですからね。
タイマーズの基本は「自由とユーモア」だったと思うんです。それが清志郎さん本質でもあったでしょうし。世の中に「歌ってはいけないこと」があってはいけない。それを誰かの力で抑えることはすべきではない。
仮に政治的なテーマであってもそういう精神は失わない。かなり際どいですけど節度はある。トピカルなんだけど、今聴いてもリアルに聞こえる。35年経っても世の中は変わってないしむしろ悪くなってるよね、と思える。
多分、今だったら「ヤバイんじゃないの」という自己規制で流せない、流してはいいけないんじゃない、という人もいたりするでしょう。どんな反応があるのかな、と思ったりしながら収録しました。
明日は、FM NACK5「J-POP TALKIN’」のインタビュー、ゲストはメジャーデビュー10周年のGLIM SPANKYです。というわけで曲です。THE TIMERESの「総理大臣」。今聴くとほんとリアルです。じゃ、お休みなさい。