FM NACK5「J-POP TALKIN’」のインタビュー。27日に新作アルバム「Snazzy」が出ます。そうか、明日発売だ。発売日のインタビューですね。去年、オリジナル「SOUL NAVIGATION」が出たばかり。精力的です。
来年がシャネルズから35周年。年齢的にももうすぐ70歳。でも、創作意欲が衰えてないということなんでしょうね。去年見たツアーのステージでも「古希ソウルめざして」と言ってましたからね。アルバムもそういう”攻め”の一枚になってます。
「還暦」の時もそうでしたね。あの時も「還暦」前の3年間を「ステップ・1.2.3」と呼んで活動してました。前作の「SOUL NAVIGATION」もその一歩だったんでしょう。目指せ古希ソウル。前作よりもずっしりとした手ごたえのある曲が多いです。
これも去年のステージで言ってましたけど「ブルース」が一つのテーマになってる。身体が動き出すようなファンキーな曲が前作だとしたら、今回はじっくりと迫ってくるという感じ。でも、もちろんファンキーはあります。
自分で詞曲を書いてる曲が3曲ある。これも前作と同じですね。他の作家にはBzの松本孝弘さんとか大ベテランのつのだ☆ヒロさん、もうおなじみになった水野良樹さん、石崎ひゅーいさん、まだメジャーデビューしてないバンドもいる。
マーチンさんはアマチャアの頃、ドラムを叩いて歌っていた。その時のヒーローがつのださんだった。松本孝弘さんが書いた曲には「Ultra Snazzy Blues」というタイトルがついている。「Ultra Soul」のブルース版という感じです。
水野良樹さんが書いた「Beautiful」という曲とマーチンさんが詞曲の「Dreams Come True」というバラードが良かったです。水野さんが書くのは曲目になるのかな。初のバラード。彼の方から「バラードを書かせてください」と頼んだそうです。
そういうことを言うタイプに見えませんけど意を決したんでしょうね。じっくりと練り上げた壮大なバラード。「Dreams Come True」は対照的に言葉も曲も凝ってないけど思いがこもっている。ともに彼じゃないと歌いこなせないでしょう。
アルバムは9曲入り。オリジナルが8曲で、もう一曲は72年のソウルの名曲、「Me and Mrs.Jones」のカバー。渾身の、という表現がぴったり。曲数はそんなに多くないですけど、これで十分という重量感のあるアルバムです。
マーチンさんはトークの達人なんですよ。無口なイメージもありますけど、そうじゃない。理路整然、色んなエピソードを交えながらの話にはいつも引き込まれます。アルバムにちなんだ様々な「縁」という「ストーリー」が聞けそうです。
僕の方は「80年代音楽ノート」が今日発売になりました。届いた方もいらっしゃるようです。宜しくお願いします。マーチンさんも何度か登場してます。というわけで明日発売のアルバム「Snazzy」から「Beautiful」を。じゃ、お休みなさい。
昨日でした。札幌ドームで行われたKing Gnu、初の五大ドームツアーのファイナル。映画館で観ました。場所は新宿のバルト9。新しい映画館みたいでした。最初は場所すら思い当たらなかった。地図を見たら昔の新宿東映のあたりでした。
新宿東映がなくなってその後に新しいマルイが出来て、その上のフロアーがTOHOシネマズで、その一角にありました。新宿、降りることがなくなりましたからね。最近は乗り換えだけ。駅の構造が一変してました。
昔のステーションビルなんて面影すらない。みどりの窓口の場所も移ってしまった。三越もありませんし地下通路も壁が全く変わっていてどこを歩いているか分からない。しかも周囲から入ってくる言葉は外国語の方が多かったりする。
早めに行ってその辺で何か食べようかと思ったら迷ってしまって結局はギリギリになりました。席は埋まってました。女性が半分以上、カップルも多かった。大人とまではいかなくてもいいお客さんだなと思いました。
浜田さんとか氷室さんとか、みゆきさんもあるか。完成したライブ映像とか映画になったものは見てましたけど、映画館でライブ中継を見るのは初めて。会場で映像を見ているのと全く違う迫真の映像と大音量。すごかったです。
King Gnuが今のバンドの中で傑出している点が三つありますね。ひとつはもちろん演奏力。ロックやジャズだけじゃない、クラシックや現代音楽まで消化している。メンバーそれぞれのアドリブと思えるバトル感が炸裂する。
ハンドマイクで歌ったりする定番のシーンもありますけど、戒厳令とか市街戦、燃え上がる都会の幻影、みたいなスリルとカオスが渦巻いている。あんなに破壊性があってそれが詩情につながっている。廃墟があんなに似合うバンドはないでしょう。
それもギターを歪ませたりシンセサイザーでノイジーな音を増幅したりということに留まらない。井口さんと常田さんのファルセットと地声のアンサンブルも加わってくる。それでいて儚さと脆さと危うさのギリギリを表現しようとしている。
曲調がそうですからね。暴動寸前のような曲もあれば消え入りそうな美しい曲もある。それがとっても日本的な知的な憂いの情緒感の中で綴られる。メロデイーのせいもあるんでしょうね。どっても文学的なロックバンドという感じもするんです。
でも、ステージのセットはヌーが生息するアフリカのキリマンジャロですからね。どこにもない大地と暴発しそうな近未来都市。幻のヌーの大軍が雄たけびを上げている。そんなコンサートのようでした。
映画館、見やすいです。会場のスクリーンはあくまでも補助的なものですけど、それがメインですからね。腰も痛くならないし帰りも楽でした。パソコンの配信ではあれだけのスケールは味わえないでしょう。
で、終わってから新宿三丁目あたりを一周。すごいなあ、知ってるお店はもう二軒しかなかった。「池林坊」と「呑者家」、あと「どん底」もあったから三軒か。末廣亭は健在でした。でも、一人で入る勇気もなく、そのまま中央線に乗りました。
4月から共同通信で「90年代ノート」が始まるんで結構大変。花粉症に悩まされながら何とかやってます。というわけで曲ですね。コンサートの大詰めだった「三文小説」かアンコールの「飛行艇」かな。どっちも好きです。じゃ、お休みなさい。
感涙ですね。まだやってませんけど(笑)。こういう日が来るんだなと感慨深くなってます。26日にホーム社から発売される「80年代音楽ノート」の発売記念イベントが決まりました。何と、作家の重松清さんと二人です。
以前、小学館から出した「小説吉田拓郎・いつも見ていた広島~ダウンタウンズ物語」の後書きを書いてくださった時に「週刊ポスト」で対談をしたことはありましたけど、今回は公開ですからね。お客さんがいらっしる、配信もあるんです。
「80年代音楽ノート」の推薦コメントも頂いてます。どういうコメントかというと”田家さんは、いつだって「あの日の、あの瞬間」にいたんだ”、です。そう言って頂けると恐縮です、という感じです。
重松さんは作家の中でも現場にこだわりを持ってる方じゃないでしょうか。2011年の東日本大震災の時、被災地にしばらく滞在して小説を書いてましたからね。捜索隊と一緒に現場を歩かれている写真を見たことがあります。
今や押しも押されぬ大御所の作家ですけど、彼が音楽雑誌の原稿を書いていた時期があることはあまり知られてないでしょう。角川書店の編集者をやめてから作家になるんですけど、フリーになって最初の仕事が音楽ライターだったんです。
「小説吉田拓郎・いつも見ていた広島」の後書きに書かれていたんですが、彼が10代の時に好きだったのが拓郎さん、矢沢さん、浜田さん、甲斐バンド、RCサクセションという人たちで、彼らの記事で僕の原稿を読んでくれていたというんです。
僕の方こそ、そういう人たちのことを書いた重松さんの原稿を読んでみたいですけど、そういうことを話してくれる「重松清音楽を語る」的なイベントになるでしょうね。彼が一番多感だったのが80年代でしょう。
どこでやるかというと代官山のTSUTAYA。以前、氷室さんのことで作詞家の松井五郎さんと話をした場所ですね。あれ、何年だっけ。氷室さんの還暦の時だから2020年か。4年前。もう4年前なのか、まだ4年なのかの感覚がよくわかりません。
コロナの後の時間の感覚はそうなってますね。何年という数字では表し切れない。あの時のトークイベントもどこか夢の中、みたいな感じです。まあ、今回も「夢のよう」という気もしますけど、それはニュアンスがちょっと違いますね。
重松さんが「音楽ライター」だったというのはものすごく誇らしい。同じ物書きの中でも社会的な認知度は高くない、むしろ低いです。趣味的な世界にいるオタクっぽい人種の中に入ってしまう。そうじゃない読まれ方をしたいとずっと思ってました。
物書きとして認知された評論家、ライターというのが若い頃の支えだったと言っていいでしょう。その「合格証」のようなイベントに思えます、ってまだやってもいないのに(笑)。いつやるんだ、というと、こういう告知が出ました。
昨日は伊藤銀次さんのPodcastの番組に呼ばれました。ラジオ番組のように時間の制約があまりない。怒涛のような80年代トークになりました。その話はまた。というわけで、5月23日です。曲ですね。図書館を歌った曲。ユーミンの「宇宙図書館」を。じゃ、お休みなさい。
と言ってもお二人に会うとかインタビューするというわけでもないです。FM COCOLO「J-POP LEGEND CAFE」の3月の特集「大滝詠一」の後半二週の収録。ゲストは評論家の湯浅学さん。大滝さんのお弟子さんという感じかな。
前半二週は3月21日に出るアルバム「EACH TIME 40th Anniversary Editon」の全曲紹介。やはり評論家の能地祐子さんに来て頂きました。大滝さん最後のオリジナルアルバム。これまでに曲順が何度も変わったという数奇なアルバムですね。
大滝さんはマニアックな研究家が一番多いアーテイストかもしれません。能地さんの女性的な情緒的な感性に基づいた全曲解説は一味違ったんじゃないでしょうか。後半の二週は様相がかなり変わります。これぞ大滝詠一というコアな特集。
去年、大滝詠一「NOVELTY SONG BOOK」「NIAGARA ONDO BOOK」という二枚組のアルバムが出てるんです。一週ずつのその特集。全部で30曲あるんで全曲とはいきませんけど、湯浅さんに選んで頂きました。
彼はアルバムの解説も書いてます。2014年に出た雑誌「レコードコレクターズ」の「大滝詠一 Talkin'g about NIAGARA」の萩原健太さんと彼の二人でインタビューしてました。NIAGARA関係はほとんど彼でした。
NIAGARAというのは大滝さんが発足したプライベートレーベル。彼は作詞作曲、編曲、ミキシングだけじゃなくスタジオも自分で作って原盤制作や管理も全部自分でやっていたという前例のない完全主義者なんですね。
はっぴえいんど解散後、ソロになって81年に「ロングバケーション」が出るまではそこでの活動がほぼ全て。アルバムを12枚かな。その一連の作品が「NOVELTY SONG」。つまり、リズムを主体にした遊び心に富んだ音楽。
メロデイーや言葉の意味よりともかく遊ぶ。クレージーキャッツを更に音楽的に突き詰めたようなバラエテイ。でも、全く売れなかったんです。それでも作り続けた音源が膨大に残ってる。そういう作品を集めたアルバムですね。
湯浅さんはお前は昔から存じ上げていてお会いするのは初めて。大滝さんのアシスタントをしていたという関係。幻の名盤解放同盟というマニアックの権化のような集団も組んでました。色々教えてもらいます。
で、夜がみゆきさんの国際フォーラム。会うと言えば会うか。顔は合わせませんけど、客席からは見るわけですからね。5月にライブが終わってからどこかで書くことになるでしょうし。心構えをね。と一気に書いたら頭がガンガン(笑)。寝ます。
曲ですね。大滝さんがクレージーキャッツとやっている奇想天外な曲を。「新五万節」。”飲んだビールが5万本”というあれ。元の歌詞でやってました。じゃ、お休みなさい。
ずいぶん空いてしまいました。体調を崩していたとか調子が悪かったというんじゃないです。間に「80年代音楽ノート」の初取材を受けたり、ソニーの新人コンベンションがあったりはしましたけど、ほぼ一週間、原稿を書いてました。
シンコーミュージックの雑誌「B・PASS ALL AREA」に載せる浜田さんのツアー「ON THE ROAD2023・Welcome back to The Rock Show”Youth in The JUKEBOX”」のレポート原稿。さっき送稿しました。
もう何度も書いている雑誌なんで勝手は分かってるんですが、今回は表紙巻頭ではななくて本文中の読み物。でも、文字量は一昨年から去年にかけてのホールツアーと同じくらい。かなり読みでがあると思います。
文字量は変わらないのにかかる時間はどんどん長くなる。これはもう一重に老いです、っておいおい、ですけど(笑)。言葉が出てこない。さっき見た資料を何度も見直さないと頭に入らない。自分の反応の鈍さにいらいらする。
言ってもしょうがないんですけどね。でも、勢いで書けない分、原稿が丁寧になってる気もするんですよ。一言に意味を感じながら書いたりしてる。意味を「持たせ」ようとしてると言った方がいいかもしれません。
自分で言ってもしょうがないですけど(笑)。どんな風にお読み頂けるか。今までのレポートと違う点も多々あると思いますよ。それもこれもあのツアーが考えれば考えるほど色んなストーリーが織り込まれてることに気づかされるからなんです。
オープニングからエンデイングまで繋がっている。なぜこの曲だったのかという必然性が見えて来る。一見、思いもかけなかった意外性もある。そこにもちゃんと理由がある。こんなに作りこまれたステージは初めてじゃないかと思えました。
ツアードキュメントではなく全くのライブレポート。文字数約18000字。400字原稿用紙にして45枚かな。かなりの深読み原稿。こういう聴き方もあるんだ、と思って頂けると嬉しいです。発売は4月の連休前だと思います。
ソニーの新人コンベンションもBEGINの島袋優さんの初ソロライブも面白かったですが、その話はまたいつか。といううわけで曲ですね。浜田さんのツアーの最後の曲「君が人生の時」を。じゃ、お休みなさい。