昼ご飯を食べながら、あゆみさんの「VOICE」というアルバムを聴いてました。彼女が男性アーテイストの曲を歌うというカバーアルバムですね。コブクロから沢田研二までかなり広い年代の曲が選ばれてましたけど、その中に尾崎の「シェリー」が入ってました。
これが良いんですよね。他には浜田省吾、福山雅治、平井堅、GLAYや佐野元春という人たちの曲もあるんですけど、全然出来が違う。それこそ入魂の歌になってるんですよ。思い入れというのかな、託しているものが違う感じがしました。
何で改めて聞いてみようかと思ったかと言うと、何人かの人に言われたわけです。「彼女に尾崎を紹介したんですってね」って。「何で知ってるの」と聞くと、彼女がインタビューでしゃべってるということでした。紙資料にも、そう書いてありました。
確かにそうなんですけどね。でも、あんまり人前ではその話しはしてこなかったんですよ。何だか、言っちゃいけないような気がしてたんですけど、本人が自分で言ってるんならいいか、ということで書いているわけです。
86年の9月4日でした。彼女のアルバムのレコーデイングの取材で成田に行った時に、バッタリ尾崎に会ったんですね。彼はビザの更新で一時帰国してニューヨークに帰るところでした。「何の仕事なの」と聞かれて「あゆみちゃんのレコーデイング」と言うと、彼が「ねえ、紹介してよ」ということになったわけです。
その日、イーストビレッジのバーでみんなで飲んだ、というくらいで、そんなに大したことではないんですけど、僕の中では映画のワンシーンのように鮮明に残ってます。彼女のインタビューによるとその後、しばらくお付き合いがあったようですね。
80年代に忘れられない二人でした。あゆみちゃんの20才の誕生日の新宿厚生年金会館のライブは、感動ものでした。もらい泣きしましたからね。あれから22年も経つわけです。彼女にも色んな出来事があったんでしょうね。
歌の中に、そんな感慨が籠もっていたんですよ。それが伝わってきた。でも、それに比べると、他の曲とはバラツキがあったなあ。ここからは若干の不満ですよ。ま、出来上がったものに対しては、何でも言えるんでしょうけど、勿体ないなあと思いました。
アルバム一枚、尾崎を歌ったりというのは出来ないんでしょうかね。中村あゆみ、尾崎豊を歌う。聞いてみたいと思ったんですよ。タイトルは「VOICE&PRAY」。声と祈り。彼女の歌には、そんな一途さがあるんですけど、あのアルバムはかなり曲によってバラツキがある感じだったんですね。余計な曲もありましたよ。
もし、興味のある方は聞いてみてください。「シェリー」だけで良いかな(笑)。何であの曲をシングルにしないんだろう。一リスナーとしての感想です。でも、80年代が懐かしいな。70年代は、色んな生々しいことがあって、なかなか懐かしがれないみたいな面もあるんですよね。
というわけで、中村あゆみさんで「シェリー」を。じゃ、お休みなさい。