寒いっす。身を切るような寒さ、という感じです。骨を切るようなという感じもしますが。身があんまりないこともあるんですけどね。でも、温度計を見たら4度でしたね。体感的にはもっと寒い気がしたのは空気がすんでいるせいだからでしょうか。
行きたいライブもあったんですけどねえ。顔を出したい忘年会もありました。でも、原稿を二本書いたら、結局さっきまでになってしまって、両方とも断念でした。このジレンマはずっと続くんでしょうね。と言っても原稿は仕事ですからねえ。やらないわけにもゆかないし。年金暮らしのライブ三昧、みたいにはなれないんでしょうね。
そんなに掛かると思ってなかったんですよね。長い原稿じゃなかったですし。不通なら二時間かなという長さだったんですが、ほぼ半日使ってしまいました。Bank Bandの新作アルバム「沿志奏逢2」と同時発売になる「apbankフェス2007」のDVDについてでした。
見てしまったんですよ。DVDをじっくりと。三枚組ですからね。で、改めて、今年のフェスを思い起こしたりしていて、時間がかかってしまいました。というより、何だか、ちょこちょこっと書いてしまうのが惜しくなったというんでしょうか。
今年のapbankフェスは、7月としては史上最大の台風直撃で三日間の予定が一日しか出来なかったんですよね。ライブの様子だけでなく、その時のスタッフやキャンプ場にすでに来ていたお客さん、出店している人達、そしてミュージシャン。そんな人達の中止に至る表情が記録されていて、感動してしまった次第です。
台風が直撃するという前日、体育館に寝泊まりしていたキャンプ組が、そこも危険だからと掛川市内のホテルに引き上げる場面があるんですけど、そこで、みんなが輪になってBank Bandの「to U」を歌うんですよ。それに釘付けになってしまいました。
あれに似ていたんですね。映画「いちご白書」のラストシーンに。ご存じの方もおいででしょうけど、あれも体育館でした。大学に立てこもっていた学生が機動隊が突入するという時に、体育館に集まってジョン・レノンの「ギブ・ピース・ア・チャンス」を歌うんですよ。そんな感じがしました。
もちろん台風ですから機動隊とは違いますけど、自分たちを脅かす強大なものに対して立ち向かって、音楽で自分たちの絆を確かめ合う、みたいなところは共通していたんでしょう。あのイベントの持っている私利私欲を超えた良さ、のようなものを感じたんですね。
私利私欲だって。昨日の続きみたいですね(笑)。やっぱり”欲”という言葉には誤解がつきまといますね。良い意味で使っても、どこかにどす黒いものを感じてしまう。”欲”でも”向上心”でも変わらないんでしょうけど。”意欲的”は良い意味なのにねって、話しがそれました。
Bank Bandのアルバム「沿志奏逢2」は、前作に次いで、日本のロック・ポップスのカバーが中心です。桜井さんが選んだんでしょうが。なかな素晴らしい曲が入ってます。「1」には中島みゆきさんの「糸」や「僕たちの将来」が入ってましたし。
そう、シークレットトラックで拓郎さんの「イメージの詩」や浜田さんの「僕と彼女と週末に」も入ってましたけど、「2」は、比較的それ以降の時代になるのかな。真島昌利の「煙突のある街」という曲が衝撃的に良かったです。ザ・クロマニヨンズのマーシーのソロの曲ですね。
知らなかったんですよ、恥ずかしながら。”この街を流れる川は耐えきれない臭いがする”という繰り返しがすごいです。”そこの工場に働く俺”の歌です。こんな歌、あったんだ、という感じでした。桜井和寿さんの、そういうリスナーとしてのセンスに敬服します。というような話しを書けば良かったなあ。後の祭りですけど(笑)。
そんなことで、2007年「apbankフェス」は忘れられないイベントになりました。その「沿志奏逢2」の中から、「煙突のある街」を。発売は来年1月16日です。ということで、今日はこの辺で、じゃ、お休みなさい。