いきなりですけど(笑)。映画の話しですね。さっき、DVDを見たばかりです。134分は結構疲れました。お話はご存じの方も多いでしょう。フランスの文豪・ビクトルユーゴーの小説の映画化。パンを盗んだばかりに牢獄につながれたジャン・バルジャンとそれを追う警部ベジャールとの恩讐のドラマでありますね。
何で今頃見ているかというと、「毎日新聞」の岩谷時子さんの連載で「レミゼラブル」の話しを書くんで、その予習でした。業界の人は”レミゼ”と呼ぶらしいですけどね。出店、みたいな響きもありますが。87年から東宝がミュージカル化していて、今年も上演するそうなんですが、その訳詞が岩谷さんなんですよ。
子供の頃に「岩波少年少女文学全集」かなにかで読みました。挿絵が入っているひらがながふってある本でした。ジャン・バルジャンという名前の響きが印象的で記憶にありました。でも、大人になってストーリーを追うのは初めてだったと思います。
舞台はフランス革命直前のパリ。街が城壁に囲まれていたんですね。ストーリーももちろんですけど、そんなところも面白かったです。世界史の中で、革命という言葉の響きが一番ロマンテイックなのがフランス革命でしょうし。そうか、ベルばらもそうでしたね。
パリは一度だけ行ったことがあります。もう10年は経つかもしれません。フミヤ君の個展の取材で行ったのかな。彼がコンピュター・アートに凝っている時でした。パリの情報誌とかファッション誌とか、かなり取り上げられたんですよ。記憶に残る取材の一つでした。
さっき映画を見ていて感心したのは、18世紀とか19世紀の話しなのに、景色がパリなんですよね。もちろんロケをパリでやっているんで当たり前でしょうけど、カメラが遠景で寺院と写したりすると、違和感がない。あれがヨーロッパなんでしょうね。石作り建築の強さと言いますか。時代を超えた画になる街というのはああいうことを言うんでしょう。
でも、何で「レミゼ」があんなに固定ファンがいるのか、ちょっと不思議でもあります。その辺も取材してみようと思ってますが。パリの持っているロマン、みたいなものなんでしょうか。ジャン・バルジャンとベジャールの人間ドラマなんでしょうか。怪人二十面相と明智小五郎みたいなものかな。でもな”ぼっぼ僕等は少年探偵団”だからな。フランス革命とはえらい違いです(笑)。
「パリ燃ゆ」という本もありましたね。大佛次郎だ。五木寛之さんが書いた60年代の五月革命を舞台にした小説は面白かったですね。学生時代は、一丁前にサルトルを読んだりしたこともありました。ランボーも好きでしたし。
そういう意味ではエンターテインメントでは圧倒的にアメリカで、他の文化的な面での影響はフランスということになるんでしょうか。特に60年代70年代はそうでしたね。ゴダール監督は、映画青年の必須アイテムでしたし。ジャンバルジャンがパリの地下水道を逃げるシーンはまさにパリという感じでした。
パリ、もう一度行きたいと思うのですが。遠いなあ。もう無理かな。腰も痛いし。飛行機はつらそうです。でも、行きたいという気持ちは持っていたいと思いますね。というわけで、今日はこの辺でという感じです。昨日は、実家で酔っぱらってました。オフクロが80代後半で、弱ってきたんで、何かというと兄弟が集まる感じです。元気なウチが華、ほんとにそう思います。
で、今日最後の曲。パリですよ。そんな曲あったかな。”オフランスザンス”というセリフは、「おそまつくん」か。シェーだ(笑)。あ、作詞家・岩谷時子さんの最初の代表作は「愛の讃歌」なんですよ。エデイット・ピアフです。SOPHIAのコンサートのオープニングで必ず流れてますね。あの曲を。今はなき越路吹雪さんで。じゃ、お休みなさい。