・昨日です。良いお天気でした。空も風も気持ち良いし周囲の高層ビルのシルエットも効果的、最高の野音日和でした。RCサクセションの野音は夏が多かったですけど、秋の野音も良いなと思わせてくれる夜でした。
・CHABOさんの一昨年のアルバム「CHABO」を中心にRCの曲も交えたライブ。バンドは、ドラム、河村カースケさん、ベース早川岳晴さん、キーボード、Dr.Kyonさん。無敵のCHABOバンドに、RCでおなじみのブルーデーホーンズ。梅津さんと片山さんという顔ぶれ。あの二人のホーンが入るだけでステージがRCになる。盛り上がってました。
・野音、久々でした。今年初めてじゃないかな。日本のロックのメッカ。それでいて幾多のバンドの累々たる亡骸も埋まっている歴史の現場。若いバンドやアーテイストには、何となく空気がしっくり来なかったりもするんですけど、CHABOさんは違いましたね。ほんとに似合ってました。野音の空気そのものという感じでした。
・野音の空気って何だ、でしょ。自分で書いていて、そう思ってしまいました。勢いで書いてますからね。そういう気分で書いたんですけど、ふっと立ち止まったわけです。野音らしさって何だ。どう思われますか。
・まず自由ね。どんな状態でもいい。勝手に楽しんでしまえる解放感。それは、ハイテンションというだけじゃないですよ。盛り上がってれば良いというわけでもない。お客さんそれぞれの自由度が醸し出すリラックス感でしょうか。
・昔の野音は、というとジジイそのものですけど(笑)。コンサート会場でビールを飲めるというのが大きいのかな。普通、室内はまず無理でしょうし。アウトドアでビールを飲みながら楽しめる。野音イコールビールという時期がありましたもんね。
・もっと前は、一升瓶だったこともありますけどね。キャロルの解散コンサートの映像を見ると、ステージの最前列に日本酒の瓶があったりします。加藤登紀子さんなんかは、それを売り物にしてました。ホロ酔いコンサートとか言ったりしてましたね。昨日の僕はお茶でしたけど(笑)。
・演奏される音楽もそういう年期の入ったものが似合う。CHABOさんとバンドのロックンロールやソウルミュージックはまさにそういう感じでした。タイトで切れがあって太くて無駄がない。CHABOさんのギターの音もそうでした。
・ポエトリーリーデイングもありました。それが野音らしかったのかな。サブカルの匂いというのかな。アングラと言った方が良いか。60年代末期にロックとジャズとポエトリーリーデイングがミックスされたイベントとかありましたけど、そういう空気感ですね。
・CHABOさんは新宿生まれの新宿育ち。新宿と日比谷公園という話しもずいぶん出てました。野音が政治集会の場だった頃のことも彼は知ってますしね。70年代初めの100円コンサートの頃の話しもしてました。この人だから話せる記憶。そういう意味でも野音らしい野音だったんじゃないでしょうか。
・「雨上がりの夜空に2017」というサブタイトルがついてました。あの「雨上がりの夜空に」のCHABOバージョン。清志郎さんとは違う味があって、それでいて曲に対する愛情も滲み出ていて素敵でした。清志郎さんの声を使った演出もありました。
・昨日は彼の67回目の誕生日。だから個人的なライブになったということもあるでしょうね。ステージにバースデーケーキも登場。お祝いムードもありながら、それに流されない。67才という年齢を巧みに織り込みつつのステージもさすがでした。でも、全然年は感じなかったです。
・それにしても、というんでしょうか。CHABOさんの新宿の話はリアリテイがあるんですよ。60年代半ばから後半にかけての青春ドラマ。アングラなんです。僕もそうでしたけど(笑)。何か一緒にやりたい、心底、そう思いました。
・何か、じゃなくて、僕の中でははっきりとあるんですが、どうなりますか。というわけで、CHABOさん、新宿を歌った曲「エピローグ」を。じゃ、お休みなさい。