なんですってね。今日、夕方からレコード協会という、レコード会社各社で作っている団体の新年交歓会があって、そこの会場で知りました。最初に聞いた時のニュアンスが”解散”みたいに聞こえたんでビックリしましたけど、メンバーのコメントとかを見ると、そういう感じじゃなさそうですね。
考えてみれば、10年間でシングルが32枚、オリジナルアルバムが7枚、ベスト盤が三種類か。かなり多い方でしょう。カバーもありましたけど、ほぼ全曲がメンバーのオリジナル。アイドルのように、たくさんの作家にコンペで発注して、その中から売れそうな曲を選ぶ、という作り方じゃないですからね。
そうやって考えると、相当なハイペースで走ってきた。多作。インタビューでも、いつまでこのペースを続けるのか聞いたこともありました。でも、僕らにはこのスピードが合っている、という言い方をしてたりしました。
10年の間に、谷はないにしても、いくつもの山もありましたし、ターニングポイントもありました。10年という時間の中でやるべきことはやった、ということでもあるんでしょう。去年の地元ライブは、その集大成、あの時には、もうこの結論は出ていたのかもしれませんね。
おとなしそうな見かけとは違って、芯の強い、自分達の意志をしっかりと持った3人ですからね。長く歌い続けるためには何が必要か。時の流れに飲み込まれない存在でいるにはどうすれば良いのか。それぞれの状況認識が、そこで一致した結果なんでしょう。
放牧、だそうですからね。いきものだから”放牧”。それぞれの活動を展開する。良いことじゃないですか。水野さんは、何年か前にソロ活動をちょっとだけしてましたしね。ライブも見に行ったんですが、いきものがかりとは全く違うロックをやってました。
これだけ創作力のある3人ですから、それぞれに曲の依頼も多いでしょう。演技の誘いもあるでしょう。そこで鍛えられることでいきものがかり自体が大きくなる。自立した3人になってゆく。誰か、突出した存在がいるグループじゃそうは行かないでしょうし。
彼らの先輩にはゆずがいますけど、二人組と三人組は、グループとしての力学も違いますからね。3人組がそれぞれソロになってまた集まる、というケースはそんなに多くないでしょう。どこまでそれぞれがやれるのか、も含めて楽しみにしたいと思います。
でも、元日にここを書いた時、曲を彼らの「ハジマリノウタ~遠い空澄んで」にしたのは偶然ですよ。僕が好きな曲というだけ。あれは山下さんの曲ですが、彼はボヘミアンですからね。しばらく、そういう時間を過ごすのかもしれませんね。これも”ハジマリ”のための一歩でしょう。
というわけで、曲です。去年のシングルのタイトルは、10年の終わり、という意味も込められていたんでしょうか。「ラストシーン」を。じゃ、お休みなさい。