今日、長野から戻って、明日のインタビューの準備。ゲストはクリープハイプの尾崎世界観さん。9月の7日に4枚目のアルバム「世界観」が出ました。アルバムチャートは4位と過去最高位。今の時代を象徴するようなバンドです。
どんな風に象徴しているかというと、救われない世代、というんでしょうか。なかなか報われない世代。成功も栄光も手にどうやっても手に入らないことが分かってしまっている自虐世代、というのかな。恋愛にしてもドラマのような画に描いたような恋愛なんて出来っこないと悟ってしまっているような若者たちの心情が歌になってます。
ロックバンドなんだけど、たくましくない。むしろひ弱で、痛々しく頼りなげ。それが、聞き手を安心させる。女の子のファンがすごく多い。ソングライターでヴォーカリストが尾崎世界観。ハイトーンで悲鳴を上げているような声には好き嫌いが分かれるかもしれません。
でも、最近のインデイーズ系のバンドに多いんですよ、そういう悲鳴系ヴォーカルというんでしょうか。男っぽいシャウトとは無縁。でもエキセントリック。一度耳にすると妙に気になってしまうというバンドです。
小説も出したんですよ。しかも、文藝春秋。お笑い芸人の次はミュージシャンだ、という狙っている感じもしないでもないですけど。「祐介」という自分の本名がタイトル。売れないバンドをやっている青年のドキュメンタリーみたいな物語。これがリアルなんですよ。
底辺貧乏小説と言って良いくらいに街の片隅、光の当たらない吹きだまりみたいなところでもがいている。今、バンドを組むというのは、こういう悲惨な状況も覚悟しないといけないんだと思わせるような世界。彼の実体験なんだろうなあ、と思わせられます。
もう僕らが理解出来る範疇じゃないんでしょうけど、これも社会勉強かもしれません。彼らの歌には「社会の窓」という歌もあります。最初に惹かれたのは、4年前か、「おやすみ泣き声、さよなら歌姫」という曲。いいタイトルだなあと思ったのが最初でした。
会うのは二回目、まだこんなに売れてない時でしたからね。どんなインタビューになるのかなと思いつつです。今週、来週、平日が無茶苦茶なスケジュールになってしまいました。何とか切り抜けてみたいと思います。曲ですね。クリープハイプ、新曲「鬼」を。じゃ、お休みなさい。