日曜日のNHK文化センター・名古屋でのテーマですね。どんな話をしようか、仕事の合間とかにずっと考えてるんですが、浮かんだのが、この(極私的)という言葉でした。最近はあまり使われませんけど、70年代には結構使われましたね。内容は忘れましたけど「極私的エロス」という映画もありました。
私的、という言葉を少し強くした感じですね。全く個人的なんだけど、みたいなニュアンスでしょうか。折角それだけ長い時間をもらってるんだし、遠いところから来られる方もおいでだし、しかも有料だし、ラジオではなかなか話せないこと、となると、そういうことかなと思ったわけです。
2014年がどんな年だったとか、このアーテイストがこういう活動をしたとか、割と客観的な視点になるでしょうけど、そこにこの(極私的)というニュアンスを入れると相当違ってくるなという感じです。今年を”横軸”としたら、自分のこれまでの60何年間が”縦軸”になりますね。
例えば、今年、印象的だった大瀧さん、拓郎さん、小田さん、ユーミン、氷室さん、みゆきさん、GLAYという人たちと、いつ、どんな風に出会って、何を残してくれたのか、とか、それからどんな距離感で続いてきたのかとか。
浜田さんとか、尾崎君とか、ひばりさんとか、今年は動かなかったり、もうこの世にいなくなってしまったけど、僕の中で決定的なインパクトを残した人。彼らとの出会いと今、という話も出来ますし。一種の自分史みたいな話も出来るかなと思ったんですよ。
そう思い始めたら、自分でもかなり楽しみになってきたわけです。もう15年前に「読むJ-POP・1945~1999」という本を出したんですね。その時は徳間書店で、5年後に朝日新聞から「読むJ-POP・1945~2004」として文庫になったものがあるんです。
それは「服部良一から宇多田ヒカルまで」というサブタイトルで、戦後の音楽の通史にもなってたんですが、そのもっと私的、それこそ(極私的)な絞り込みで話せる気がします。ホントは、曲をかけたり映像を見ながらやれるともっと楽しいんでしょうけど、時間が勿体ない(笑)。
というようなことを、合間合間につらつら考えてます。通り一遍な一年の回顧にはならないでしょう。こんな話する機会はめったにないでしょうからね。でも、何はともあれ風邪ひかないことね。インフルエンザ、猛烈に流行ってます。小川ローザです、って何のことだ(笑)。
というわけで、明日も収録の準備です。曲ですね。この曲がなかったら、今、こんな仕事してないでしょう。拓郎さん「人間なんて」を。じゃ、お休みなさい。