試写会でした。ラッシュは見てましたけど完成版は初めて。うまくまとまってましたね。あれだけの長時間のイベントを一本の映画にするわけですから、手間も時間もかかるでしょう。あの夜、どんなことがあったのか、コンパクトに経験することが出来ます。公開は10月26日ですね。
それに先駆けて、全国のコミニュテイFM局で来週から始まるのが「BEAT CHILD RADIO」。放送時間は局によって違うでしょうが、30分の番組です。構成とナビゲーターは僕です。昨日、1週目と2週目を収録しました。1週目のゲストはダイモンド・ユカイさん。元レッド・ウオーリアーズ。解散してないから元じゃないか。
2週目は撮影のチーフ、堀田明宏さん。あの豪雨の一夜を客席でカメラに納めた1人です。彼は、その後、みゆきさんの「地上の星」や「夜会」の撮影もやっている人です。そうやってあのイベントや映画の関係者や出演者、スタッフの話を聞いて行きます。12週続く予定です。
コミュニテイFMで流すというのは、映画の上映委員会の方針ですね。東北のコミュニテイを支援するということと、あのイベントの精神が、独立独歩のコミュニテイに共通するということもあるようです。今、あらためて関係者に会うというのも貴重な機会なんで、きちんとやろうと思ってます。
「BEAT CHILD」。案外知らないという東京の業界関係者も多いんですよ。87年8月22日から23日にかけて行われたオールナイトのロックフェス。出演は、ブルーハーツ、レッドウオーリアーズ、岡村靖幸、白井貴子、ハウンドドッグ、BOO/WY、ストリートスライダーズ、尾崎豊、渡辺美里、佐野元春という人たち。
実際のライブではオープニングという役割でTHE HEARTというバンドも出たんですが、映画はその後のメインアクトの人たちでまとまってます。みんな一番勢いがあった、とんがっていた時ですからね。悪天候が彼らのロックスピリットに火をつけた、みたいなパッションが満ちあふれてます。
今だったら当然中止でしょう。それでもやり抜いた、最後まで見届けた。たった一晩なのに、一生忘れない、そんな夜になってます。僕にとっても75年の拓郎さんの「つま恋」と「BEAT CHILD」が、今の自分を決めていると言って良いかもしれません。そういう意味ではやっと語る時が来た、という感覚です。
みんなすごいですよ。豪雨にひるむことのなかった白井貴子さん、「負けるもんか」を絶叫した大友さん、水浸しのステージにキスをした尾崎さん、感電を恐れず裸足で歌った美里さん。迫真のライブです。26年前、こんなことがあった。あれが今の夏フェスの礎になってるんだと思いますよ。10月26日公開。是非。
現場にいること。そこにいるから刻まれること。そこにいたからこそ語れること。もうちょっとやれることがありそうな気がしてます。曲ですね。BOO/WYの「DREAMIN’」を。7万2千人の泥だらけのクツで溢れた夜でした。じゃ、お休みなさい。