な、な、何じゃいきなり(笑)。AIの武道館に行って、終わってからロイホで食事して、今、テレビつけたら、福山君がカーニバルで歌ってました。この間までカリフォルニアかどっかの国立公園の崖の上で歌ってると思ったら、今度はカーニバルですよ、お金かかってるわ。
で、カーニバルに反応してしまったんですね。これ、自慢ね。行ったことあるんだ、一緒に踊ったんだ。何年かな。88年だったかな。カメラマンの岩岡吾郎さんと二人でした。何の取材だったかと言うと、元オメガトライブのカルロスの里帰りに同行して一冊書きました。
彼の故郷は、リオじゃなくてマリンガ。サンパウロからまた飛行機で何時間か乗る日本人移民が多い街でした。面白かったなあ。海外取材でも指折りの面白さでありました。日本人移民のその後という話も聞けましたし、そこで生まれた少年の夢や憧れ、ブラジル移民にとっての”祖国日本”にも触れました。
山崎豊子さんに「二つの祖国」という本があって、音楽を舞台にした、そういう話が書けるかなと思ったわけですが、そこまでにはなりませんでした(笑)。でも、貴重な体験しましたよ。遠来の客人を歓迎する時の高級料理というアマゾンの川魚の刺身で食あたりを起こしたり。
マリンガからサンパウロまでに戻る定期便がストで、カルロスのおじさんが農薬散布用に使っているというプロペラセスナで大草原の上をふわふわと飛んで行ったり、生きた心地がしなかったですよ。だって、ゴキブリの大きさが20センチくらいあるんですから。ホテルの部屋で夜中に飛んだ時は声を出してしまいました。
だって、バサバサバサって、いきなり鳥が飛ぶような音がするんですから。カーニバルは一晩中、街が地鳴りするみたいにサンバのリズムが鳴ってるし。一緒に踊って腰痛になりました(笑)。もう行くことはないんだろうなあ。カルロスは結局向こうに帰ったみたいですね。岩岡さんも亡くなりました。
彼は最後、吉祥寺でタンゴのライブの出来るレストラン喫茶をやってたんですが、色々大変なことがあったようです。アルゼンチン好きだったんですよ。良い写真を撮る人でした。尾崎とか佐野さんとか甲斐バンドとかね。みんな死んじゃうなあという一人です。
AIの武道館、ロスのミュージシャンやダンサー。人なつっこい来日公演みたいでした。というわけで、曲だ。サンバね。THE BOOMだ。「風になりたい」を。じゃ、お休みなさい。