由紀さおりさん&ピンク・マルティーニ、となってましたけど、やっぱりそうかな。内容的には、ピンク・マルティーニfeat.由紀さおり、という感じかなとも思いましたよ。でも、日本では、彼女を前面に出さないと難しいでしょうから、これで良いんでしょうね。有楽町、国際フォーラム、Cホールでした。
そう、ピンク・マルティーニは、2月にハワイで見たわけですよ。カミサンとワイキキを歩いていたら、どっかからか流れてきたラジオで彼らのコンサート・インフォーメーションをやっていた、ネットで調べたら、ワールドツアーの初日だったんで、急いでチケットを買って見に行った、というライブでした。
ハワイ・シアターね。ギリシャ風建築の由緒ありそうな収容1500人の劇場。満席でありました。初日がホノルルで二日目が翌日のマウイ島。オールドタイプのラテンやジャズで、白人の大人達がお酒を飲んで踊ったりしてるというハッピーなコンサートでありました。
海外で自分でチケットを買ってみたアーテイストの来日公演、というのは、あんまり経験してないかな。昔、ストーンズをロスで見たとかいうのはありましたけど、日本ではそこまで知られてない人達ですからね、妙に親近感があったのは、新鮮でした。
あれ、他のお客さんに対しての優越感なのかな。だったら、嫌みだな。そういう比較でじゃなくて、素顔を見てるよ、みたいな、前から知ってる友人、みたいな感じかな。でも、ゲストが由紀さんですからね、やっぱり、違うコンサートを見ている感じはありましたよ。
アルバム「1969」が出てから日本での最初のコンサートになるのか。客席にもそうそうたる方が見えてましたし。由紀さんも、貫禄のパフォーマンスを見せてくれました。あのアルバムは、1969年に世界で流行った曲を、日本語で歌う、という面白さもあったんですが、それは十分に伝わりましたね。
もう、ご存じでしょうけど、ピンク・マルティーのリーダー、トーマスさんが、地元ポートランドのレコード屋さんで由紀さんのデビューアルバムをジャケ買いして「夜明けのスキャット」に魅せられた、というところから始まってます。「ブルーライト・ヨコハマ」とか「いいじゃないの幸せならば」とか69年のヒット曲が歌われてますね。
他に、「マシュケナダ」とか海外の曲を日本語で歌ってます。
でも、もし、あのアルバムが日本の歌謡曲だけを取り上げていたら、あんなに世界でヒットはしなかっただろうな、という話は前にも書きましたけど、洋楽を日本語で歌った時の由紀さんが良いんですよ。うまい。今日もアルバムの中の「Is That All There Is?」という曲が絶品でした。原曲はペギーリーです。語りも入っていて、聴き応え十分でした。
思いがけなかったのは、トーマスさんが、千葉の幕張高校にホームステイしていた、ということかな。それで日本に好感を持ってたということもあるんでしょうね。そんな過去が明かされておりました。9月には全国ツアーもあって、その時までにもっと日本語を上手になってくる、と言っておりました。
まあ、国際フォーラムですからね。どっか硬い、よそ行きは否めませんでしたが、9月には、ハワイで見せてくれたような陽気な場面が増えるんじゃないでしょうか。楽しいと思いますよ。というわけで、アルバム「1969」から「Is That All There Is?」という曲を。大人の歌です。じゃ、お休みなさい。