試写会がありました。「ANNG」はオープニングが欠ける程度で何とか間に合いました。ご存じの方も多いでしょうけど、以前DVDで発売されていた「歌旅~中島みゆきコンサートツアー2007」が映画館で公開されるんですよ。劇場版ですね。その試写会でした。盛況でしたね。試写室の席は一杯でした。
劇場版と銘打っているわけですから当然DVDと違うんですが。全く違う。DVDは、彼女にとっての初めてのツアードキュメントでもあったわけで、ツアーの移動風景やオフショットなんかも入っていたんですが、それが全部カットされて歌っているシーンだけで再編集してある。
映画館で見るライブ、ということに特化した作り方になってるんですね。何カ所かブレイク気味に風景や鳥や魚の映像が入りますが、ほぼ全編ライブ。次から次へと歌が続いて行く。試写室の画面ですからそんなに大きくないんですけどまさに圧巻。言葉を失うくらいに圧倒されました。
「歌旅」は、彼女にとって初めてのツアーライブ映像でした。それまでは、「夜会」はあってもツアーの一環となったコンサートを記録したものはなかったんですね。その理由は一点。コンサートは毎回が生き物という「一期一会」。映像には残せないということでした。
つまり、その日、その会場でそのお客さんだから成立した一本のライブでそのツアーを代表させることは出来ない、というわけですね。それがなぜ作品になったかというと、ようやくどこの会場で見た人も納得できる完成形に到達した。それが2007年のツアーの国際フォーラムだったんですね。
すごいです。一曲一曲の表情や気迫。身体全体で何かを訴えているようなオーラ。それぞれの曲に何かが乗り移ったようになってる。あんな劇的な歌を歌える人はいないでしょう。選曲もすごいですからね。2000年代の代表曲はほぼ網羅されている。震災後の今を予感していたような歌も多いです。
震えるとか打ちのめされるという言葉がふさわしい全18曲。最近のみゆきさんはあんまり聞いてないというような方にこそ是非、という感じですね。5月12日から二週間限定上映。ワーナー・マイカル・シネマ、TOHOシネマ他、全国の映画館で上映されます。”今、いちばん聴きたい映画です”というコピーがついてます。
というわけで、みゆきさんの「ファイト!」。いや、もう、すごいの一語でした。じゃ、おやすみなさい。