です、失礼しました。「満月の夜」じゃ、ありません。ご指摘ありがとうございました。こういう間違い、少なくありません、というか多いです、というと開き直っているみたいですが。そんな感じでもないです。その時に頭に浮かんだことを書いているだけなんで、後で赤面することも多いです。
今朝、神戸を立って東京に戻ったんですが、途中、一か所寄るところがありました。西宮にある接骨院なんです。これは「オン・ザ・ロードアゲイン」に書いたんですが、90年の浜田さんのツアーで、スタッフと一緒にPAを押したりしていて腰を痛めて伊丹空港で動けなくなったことがありました。
その時に運び込まれた接骨院。近所に西宮球場があって、競輪選手の間で評判になった気功を使う接骨院なんです。骨折で動かなくなった足首が動くようになったとか、そういう目に見えた結果があってそうなったんですが、そこに運び込まれて、お世話になったわけです。
それ以来、20年間、関西に用事があると見てもらっているところで、今日新幹線の時間をやりくりして寄ってきたんですが、阪神大震災の直後にもそこに寄ってるんですよ。その時はお見舞いも兼ねて行ったんですが、その時のことを思い出しました。
いつもは大阪から行くんですけど、三宮から行ったせいでしょうね。あの時の神戸から西宮にかけての光景をまざまざと思い出しました。道路沿いに延々続く転倒家屋を見て足がすくんで涙が止まらなくなったことや、ぺしゃんこになったライブハウス・チキンジョージを見て思わず手を合わせしまったことや。
今の神戸にそういう名残りはないですけどね。その時に、避難所でライブを続けていたソウルフラワー・ユニオンの中川敬さんが、HEAT WAVEの山口洋さんと作ったのが「満月の夕」でした。で、その震災後に接骨院に行った日に東京で地下鉄サリン事件があったんですよ。
僕は知らなくて、接骨院の受付のテレビでニュースが流れていて、そこにいた女性が「東京も大変ですねえ」と本気で心配してくれました。お見舞いに行ったつもりが心配されてしまって、自分のところがこんなになっているのに東京のことを心配してくれて、「関西の人は優しいなあ」と思ったわけです。
そういう庶民的な暖かさが関西にはありますね。僕は関東ですから、喫茶店にかつ丼があるような独特のごった煮感が苦手ではあったんですけど、あの時の印象は今も強烈にあります。困った時はお互い様、みたいな感じね。
東京ももともとはそういう街だったんでしょうけど、どんどんなくなってきてます。失くしてしまったのは地方から来ている人達という言い方もできますが、東京の人間も大多数はもとは地方から来ているわけで、そんな風に言えた義理ではありません。
国の体制が違っても人間がそんなに違うわけじゃありませんし、というようなことを真剣に考えているのが韓国の人たちなんでしょうね。北朝鮮との間が大ごとにならないことを祈るばかりです。声高な勇ましい声が怖いです。
ということで、お詫びも兼ねてもう一回「満月の夕」を。ガガガSPバージョンにしましょうか。じゃ、お休みなさい。