良いお天気でした。快晴、秋晴れ、雲ひとつない空。泣きそうになるくらいに真っ青な空。でも、4時を過ぎればあっという間に夕暮れ。晩秋ですねえ。つるべ落とし、という表現がありましたけど、今、分かる人、いるのかな。つるべさんを落とすんですかあ、とか言われそうですけど。
あの人は噺家だから当然、落ちはあるでしょうけど、そういうことじゃないわけです。秋の夕日は井戸のつるべが落ちるようにあっという間、ということなんですよ。でも、つるべって何?って聞かれそうですね。あれは、井戸の中に入れて水を汲むバケツのようなものですね。
井戸自体、知らない人が多いでしょうからね。僕らの子供の頃は、家にも井戸がありました。というか、水道がなかった。すごい時代でしょう(笑)。ま、戦後の焼け跡みたいなもんでしたからね。トイレも汲み取り式でしたし。日本は貧しかったです。
そう、つるべ落としね。まるで人生の晩年みたい。そうか、晩年って何才からを言うんだろう。今日、深夜放送本の原稿で糸居五郎さんのことを調べていて、彼が63才で亡くなったことを改めて知りました。日本のDJの草分けだったんですよ。
そういうのはショックなんですよねえ。若いころ、すごいなあと尊敬の念を持っていた人が亡くなった年齢を超えている。突然、突き放されたような感じになるんですよ。お前も、そろそろだぞ、と言われているような気がする。やっぱり60代は大きいです。
で、27才だ。斎藤和義さんの新作アルバム「ARE YOU READY?」を聞いていて、「いたいけな秋」という曲にくぎ付けになりました。くぎ付けとは言わないかな。耳がくぎ付け、はやっぱり変ですね。何と言うんだろう。耳がハンダ付け、これじゃ聞こえなくなるか(笑)。
年齢を歌ってるんですよ。しかもスチャダラ・パーとコラボをしているんですね。その中に、”27才”が出てきました。ツエッぺリンが「天国への階段」を発表したのがジミーペイジ27才、ビートルズが「サージェントペパーズ」を出したのが、ジョンレノン27才。そうだったか。
そうやってブライアンジョーンズ、ジミヘン、カートコバーン、ジャニスジョプリンと、27才で死んだミュージシャンが登場して、”間に合うのか””追い抜いたのか””もう遅いのか”という自問が続くわけです。ねえ、ブライアンジョーンズもカートコバーンも27才だったんだね。
そう言えば、氷室さんがBOO/WYを解散したのも27才でしたよね。すごい年齢だなあと改めて思いました。宇多田さんのインタビューでそういうことを聞けば良かったな、と軽い後悔もありましたね。後の祭りですけど。こういうことはよくあります。
27才かあ。大人の曲がり角ね。僕らはもう曲がり切ってしまいましたけどね。この後、曲がるのは腰とおへそだけだよ、ってひがみっぽいや(笑)。あ、早稲田の斉藤投手が、優勝のあいさつで、自己紹介しながら、「22才です」と言ってましたね。22才か、羨ましいねえ(笑)。
年齢の話をすると屈折してしまうのは仕方ありません。ということで。また一日年をとるわけですが、もうつるべも落ちません、底ですから(笑)。曲は斎藤和義さんの新作アルバムから「いたいけな秋」。いたいけという言葉は何才まで似合うんでしょうか。腰が痛いけ、とか言ったりして(笑)。じゃ、おやすみなさい。